Tomo

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【Interview】Ratboys’ “Printer’s Devil” : Full of Openness and Love.

Q1. Your new album, while leaving a feeling of nostalgia in your songs, this time, we could also hear a new aspect in your music. There are songs that give us some emotional feelings that mixtures of nostalgia, warms, and makes us remember past memories while others are up tempo, powerful and there are also pop songs. How do you view this new album?Wow, thank you. That is very kind of you to say. I view the album in a similar way, it makes me feel very nostalgic for time I spent with my family in Kentucky, where I grew up. A lot of the music is inspired by sounds, big guitar sounds and intimate folk sounds, that I listened to a lot when I was a teenager. I remember spending time in my bedroom, listening to Sufjan Stevens and Green Day. I love contrasts like that, and I am happy that our record provides similar moments of contrast and variety. Q2. Drummer, Marcuss Nuccio and Bassist, Sean Neumann participated in this work. After releasing your previous work ”GL”, you toured with them together and came to Japan. And Julia and Dave, you two are support members of Jupiter Styles which is Sean Neumann’s project. You’ve worked and experienced many things with the two of them, and there’s a lot of good influences in this album. Are there differences between this record and your previous record regarding this? Exactly, yes we have known Sean for many years now - the first tour we ever did for Ratboys was with his old band, Single Player. We met Marcus in 2016 and started touring with him in 2017. He is a rock solid, amazing drummer. We have spent so much time together, so we are all really good friends, and we have great chemistry playing music together. For Printer’s Devil, we spent a couple months working on bass and drum parts and rehearsing songs live together as a band before we went into the studio to record. So, we were a lot more prepared at the beginning of the session than we had been before we recorded GN or AOID. Because of this, we were able to record many songs live, tracking all four of our parts simultaneously. That was really fun and new for us. I think it sounds really good that way. 

【ドキュメンタリー映画『Tribe Called Discord : Documentary of GEZAN』DVD発売記念インタビュー】監督・神谷亮佑が見た景色。

1. 神谷監督はどういうきっかけで映像を撮ることに興味を持たれたのでしょうか?僕は元々芸人を目指してて、1年程コンビを組んでたんですが、19才の頃相方と解散して、その後どうしようと悩んでた時ずっと映画ばかり観て過ごしていたんですけど、当時足繁く通っていた大阪のシネ・ヌーヴォという映画館の帰りに、あー俺も映画撮ってみたいなーという感情が沸々湧いてきたのを覚えています。あと小学校の卒業アルバムに将来の夢を映画監督と書いていたのを最近発見しました。当時全然意識してなかったとは思うんですけど。2. これまでライブ映像やMVなども手掛けてこられたと思いますが、最初に音楽に興味を持ったきっかけを教えてください。最初音楽に興味を持ったのは、なんだろ。中学の時とかに友達とかの影響が大きいですね。モンパチとかハイスタとかからロックを知っていった感じですね。僕は京都の福知山という田舎の出身でレコ屋とかTSUTAYAとかも無くて、友達との情報交換か雑誌、ラジオが音楽の情報を知る術でした。Youtubeとかも誰も知らなかったですね。誰かが拾ってきたヤバい嘘みたいなロックの伝説みたいな情報を得て聴いた事もない音楽に目を輝かせている、キッズでした笑3. どうして音楽に関わる映像を撮りたいと思うようになったのでしょうか?また、その魅力について教えてください。最初はじめたのはライブ撮影でした。そこから何度も撮影を重ねているのですが、ライブ映像の撮影は、未だに毎回毎回、四苦八苦しながらやっています。自分が何をその場でカッコイイと感動しているのか、それを見せるのがライブ映像の魅力だと思います。カメラマンが僕だからこそ、この映像という物がある。毎回同じという物がない、そういう面白さがありますね。4. 映像を撮るにあたって、先に何か撮りたい具体像があって撮られるのでしょうか?それとも撮った先に見えてきたものを作品へと仕上げるのでしょうか?映像を撮られるときの手法を教えてください。僕の場合結構、行き当たりばったりかも、、、。コンセプトだけ先にあって、こういうイメージ、こんな事やってみたいって現場でアイデア出して動いてもらう。アメリカツアー中に撮った「DNA」や「NO GOD」のMVはまさにそんな感じでした。5. ドキュメンタリー映画『Tribe Called Discord : Documentary of GEZAN』に映るGEZANの姿には引き込まれるような魅力を感じました。人の持つ魅力をありのまま映すような映像だと思いましたが、撮りながらどんなことを意識されていたのでしょうか?一番意識したのは、マインドでした。英語出来ないけど、何か喋りたいって気持ちはずっとあったんで、劇中では使ってない場所でも果敢に声かけたり話そうという姿勢だけは崩さないように心掛けていました。色んな人と出会えて泊めて貰ったりした裏には、そういう気持ちが大切だったし、映画にとっても、一番大切なものでした。6. 映像を撮影し編集する中で、どのような視点を持つように意識されていますか?自分の目線ですね。セルフドキュメンタリーという意味ではなく客観的に撮るとか、客観性のある話よりも主観の方が自分には向いているのかと思います。7. 神谷監督が撮られたドキュメンタリー映画は、様々な価値観が存在することをそのままに伝えるような映像で、それはGEZANの自主レーベル十三月が主催する全感覚祭の中にも同じものを感じました。全感覚祭にも長年関わってこられたとお聞きしましたが、全感覚祭が自身に与えてきた影響はありますか?そうですね、このフェスは毎回、色んな課題を越えて成長していってて、色んな目標が出来るんです。それを各担当、各部署、越えてみんなで議論しフィードバックし成長していってる。こういう沢山人が集まってくる場所を作るというのは、色んな問題が出てくる。そういう時に普段見落としがちな事でも、沢山気づかせてくれるフェスです。8. 2019年の全感覚祭もとても素晴らしいものだったと思います。大阪、渋谷、それぞれで印象に残ったシーンを教えてください。去年はフードフリーという試みで、全国の農家さんとかから食材を貰ってお客さんに食事を振る舞うという挑戦をしたんですけど、そこで山形の農家さんに会いに行ってお話して食材を頂いたりして、普段音楽とかとは関わりがない場所から自分たちの試みを面白いと思って繋がれた、そういう特殊な出会いが出来たのは非常に面白かったです。大阪では十三月で一緒に全感覚祭を作ってるTHE GUAYSのヒロシが入院し、出演が出来なくなり、クルーみんな心配してた。単純に最高な瞬間に一緒に居たいからみんな頑張って準備してきてるからショックでしたね。その後に大阪で会場近隣のお店から食中毒が発生し、イベントに来てたお客さんが被害に遭われた。この全感覚祭はいつも撮影していて思うんですが、お客さんもみんな最高な顔をしている。出演者とお客さんという垣根を越えた部分も一つ全感覚祭の顔だとも思ってて、そのお客さんが、最後まで楽しめず苦しんだという事実が、スタッフ一同悲しみに暮れ、衛生管理の徹底をより気を引き締め千葉の全感覚祭を良きものにしようとしていた最中、大型台風がイベントに直撃。と、かなり去年は自分たちが試される機会になりました。その後、急遽渋谷にて開催場所と日程を変更し全感覚祭を行ったのですが、蓋をあければ物凄い人で、ほんとハロウィンとかでしか見た事がないような人が集ってとんでもない夜になった。”生きる”ことがテーマとなった全感覚祭だったけど、台風で恐ろしい夜を越えた人たちが一夜明け、踊り狂う夜になった。その姿が、単純に人のエネルギーや音楽や芸術に支えられている様を見た。このテーマがスッと直結した感覚に陥った。9. GEZANのUSツアー同行、ドキュメンタリー映画の上映、2019年の全感覚祭という体験を通して、映像を残すことに対する感覚は以前と変わってきましたか?また、作品を撮るごとにどのような変化がありますか?全然違いますね。映画館で上映出来たということが大きかったです。作品に対して人にちゃんんと伝えるという意識が変わりました。やっぱ映画館は、ネットとは違い反応がダイレクトだし、出て来たお客さんの表情とかと直接会えるのは本当にいい経験だったし、またこの場所に帰ってくるという目標が出来ました。10. これから映像を撮りたいと思っている人や、音楽に携わりたいと思っている人、何かに挑戦したい と思っている方にアドバイスがあればお願いします。目まぐるしく、世の中は変わっていって自分というものさえどこにあるのか分からなくなる時があると思う。だけど自分がそこにいた。という事を残すのは素晴らしいことだと思う。葛藤しながらも旅をつづけてほしい。==================================================--------- Answer from Ryosuke Kandani==================================================『Tribe Called Discord : Documentary of GEZAN』を劇場で観たとき、この体験をする前と後とでは、彼らの見つめるものは大きく変わってしまったんじゃないかと思った。大阪の全感覚祭を見た翌朝にも、その時と同じことを感じた。そして、今、世界中のほとんど全ての人が感じていることではないかと思う。混沌と激動の中を走った人達のストーリー。自分は今どこにいるのか、その先に何を見続けていくのか、何を守っていけるのか。今居る場所から、一体自分に何ができるのか。葛藤の日々を生きるヒントが、この映像の中に隠されているかもしれない。 【Release】

【堺ファンダンゴ移転記念インタビュー】ファンダンゴ店長・村上隆彦×加藤鶴一『新・ファンダンゴができるまで』

エンドロールと幕開け―移転した堺ファンダンゴには十三の時の入口の扉や階段があるのを見て嬉しくなりました。加藤:皆ゆうてくれるね。あの階段は皆びっくりするなあ。村上:十三から持ってきたものと天井が高くて古い倉庫感と、この匂いみたいなのがファンダンゴらしいって皆ゆってくれますね。―十三のときも天井が高かったと思いますが音の鳴りも似てるんでしょうか。村上:こっちの方がもっと高くて正方形なんで、ホールのステージみたいな響き方しますね。加藤:元々が倉庫やから。船の道具を作る倉庫で、上の扉から荷物を出してトラックで運んどった感じ。そのまま使ってるから面白いんやなあ。 ―それに柱もあるんですね。村上:あっちゃったんです。(笑)十三を引き継いだような。大きい古い建物はどうしても柱があるみたいで。加藤:見にくいなあ。(笑) 似てるよねえ、柱のあった場所も。―十三での最終営業日のエンドロールにはたくさんの方が来られたそうですね。村上:あの時は僕らもびっくりしました。32年間続けてきてくれた賜物だと思います。―最終的に2日間で何人ぐらい来られたんですか?村上:1200人弱ですかね。加藤:嬉しいことやなあ。寂しがってくれて。村上:ちっちゃい子供連れとか、音が鳴ってたら入りにくいって人が家族で来てくれて。土曜日も絡んでたんで旅行ついでにとか。ゆっくり顔出してもらえて嬉しかったっすね。【エンドロールの風景】

【Music Lovers File⑥番外編】音楽メディアBELONG×Strike A Chordコラボレーション企画・緊急座談会!"僕たちの全感覚祭"

はじめに約2週間前の夜の出来事。突然、GEZANのメンバーのSNSを見たと連絡してきたBELONG編集長の矢部さんは、私にこう言う。「ただひたすら、全感覚祭への思いをぶちまける記事を作ろう。」主催者も、関係者も出てこない。ただただ、全感覚祭の魅力を語るだけの記事。一見、馬鹿げた記事だって、思われるかもしれない。でも、それもいい。何かをせずにはいられない何かが、ここにはある。そう、思ったから始まった。“全感覚祭への思いをぶちまける記事”を、さあ、とくとご覧あれ。The Beginning of "GEZAN"「GEZANなんすけど、僕GEZANは、大阪に居たときから実は知ってたんすよ。」―ああ、もう最初っから?「そう、結構出てきてすぐだったんじゃないかな。大阪でタワレコ行ったときに、試聴機のとこで、下に山って書いて、え、これ何て読むん?っていうバンドが居て。あ、これ“ゲザン”って読むんやって知って。何このバンド?って思って、確か、そん時試聴したと思うんすよ。割と出てすぐぐらいの、彼らの音源を。その時何か、ボーカルのマヒトさんの声が結構苦手やったんすよね。声高いじゃないすか。あ、これ無理やな、と思って。で、聴かなかったんすよね、そっから。そんで、“下山”てゆうやつらがおるんやって認識をして。で、彼ら赤いじゃないすか。赤いし、言ってることも何か、すげえこと言ってんな、この人達って。大阪って結構その、キワモノバンドが集まるライブハウスとかあるから、その辺のシーンの人達なんかなって。で、そっからもう、自分の聴く音楽じゃないわっていう風に思って、思ってたのがGEZANとの出会いでしたね。」―(笑)「だから、出会いは最悪だったんすよね。」―なるほどー。「そうそうそう。何きっかけで知ったんすか?そもそもGEZANのこと。」―私は、何かネットとかでちらちらと目に入るようになって。あの、うちのサイトLOSTAGEにインタビューさせてもらってるじゃないですか。「はいはいはい。」―LOSTAGEとスプリット出してるんですよね、GEZAN。で、その時はまだ、スプリット買うかな、買わないかなとか思ってるうちに、機会を逃して、もう今は買えなくなってしまったんですけど。買えば良かったなって後悔が残ったままずっといて。そこから何か、GEZANの情報をだんだんと目にするようになってきて。で、音楽を聴いてみたり、何回かしてるんですけど、何かまだ、タイミングじゃない、みたいな感じでずっときてて。「はいはいはい。」―何ていうか、気になるけど聴かないっていう・・・。「あー、ありますよね。」―すごい気になる、みたいなのはずっと続いてて。ちょっと聴いてはタイミングはまだだな、みたいな感じで。でも気になるからまた聴いたりっていうのをずっと繰り返してて。で、去年ですね。去年の全感覚祭の映像とか、ネットの盛り上がりとか、見てたら凄かったじゃないですか。見ました?去年のやつ。「全感覚祭、去年は見てないかな。」―私も行ってはなかったんですけど、ネットとか動画とか見てて、すごい、すごいなーって。何だろう?あんまり見たことがない雰囲気だったというか。よくあるフェスの雰囲気っていうよりも、秘密集会みたいな。何だこれは、と思って。そこから、全感覚祭が気になったんですけど。「うん。」―まだGEZANをそんなに聴かずにいたから、全感覚祭は気になるけど、記事として取り上げるってどうなんだろうか・・・とか思いつつ、でも気になるなって。GEZAN、いつかライブに行きたいなって、ライブに行ってから聴きたいなっていう。「堂々めぐりしてたん?」―そう、ずっと、思い続けてて。でも、なかなかライブの予定が合わなくて。関西のライブ情報を確認しては、日程的に無理やなっていうのが続いてて。でも、何か気になるっていうのはあったんですよ。「うんうん。」―そうやって、まだタイミングが来てないなっていうのが続いてたんですけど。この間、本を読んで。マヒトさんの『銀河で一番静かな革命』。「あー。」―あれがすごい、良くって。何か、本がすごい、胸にこう。ぐっと刺さった感じがして。そっから、もうめっちゃ、GEZANが気になりだして。で、見に行ったんですよ、『Tribe Called Discord: Documentary of GEZAN』。「ああ、GEZANのドキュメンタリー映画の。」―そう。京都の出町座に、夜の道を走って見に行って。映画もすごい良くって。GEZANを今じゃないなって思い続けてたのは、何かこう、それこそ触れてしまうと、はまりそうというか。入るのに、抵抗がある。最初は良くわかんないから、ちょっと触れるのが難しそう、みたいな感じで。でもこうやって、ガッと触れてしまうと何かもう、めっちゃ気になる、みたいな状況になってて。今、Steve Albini録音の『Silence Will Speak』を聴き直してるんですけど、前聴いたときよりすごくいいなあってなってて。何か、そのきっかけがやっときたっていう。タイミングですね、私は今が。「僕も、実はその、最初無理やって思ったんすけど、その後何回か聴くタイミングっていうのはきてて。例えば、このバンド、前のドラマーが24時間ドラムを叩き続けるってことをしてたと思うんですよ。」―(笑)「で、え、マジでゆってんの?って思って。」―ははは(笑)「まじで、24時間ドラム叩き続けるのかこいつらって。で、やばいな、と思って、こんなやばいバンドやったら、もう一回聴いてみようと思って。そんときの曲も聴いたんすけど、いや、やっぱ違うなと思って。やっぱ、ボーカル、好きになれんわ、と思って。」―うん。「で、その後もSteve Albiniがきたから、いや、今回か、と思って。」―うんうん。「と、思ってまた聴いたけど、やっぱ無理やっていうことが結構あって。BELONGとしても何回か取り上げようって試みはしてきたけど、音楽的に好きじゃないとインタビューしたくないっていうのがあるから、ずっと遠慮してたっていうか。いや、違うなって思い続けてきたけど。今回さ、全感覚祭のイベントやるにあたって、マヒトさんが最初、文章を出してたかと。」―はいはい。「で、その文章が、ものすごい良くて。」―圧倒的でしたね。「その文章っていうのが、何かもう、めちゃくちゃ生々しいんやけど、ものすごい正直で。何て言ったらいいんかなあ。・・・美しさがあるっていうか。」―分かります!「その感じの文章かける人って、今まで見たことがなくて。ここまでかけるっていう人。ミュージシャンでも文章書く人って結構いるけど、ここまでのレベルっていうのは。小説家とか、そういうレベルの人達と比べても全く遜色がないし。」―うんうん。「や、ほんまにすごいな、と思って。文章が。で、今回こういう企画やりましょうって話したんすけど、BELONGやってて初めてかもしんないすね。文章がここまで良くて、イベントも面白いことしてて、音楽以外の部分から取り上げようと思ったのは、GEZANが初めてだと思います。」圧倒的ステートメント―でも、多分、矢部さんもう少ししたらね、音楽も気になり始めるかもしれない(笑)。もう、ひと声。「そうですかね。」―やっぱり、音楽の中にも、美しさみたいなのがあるんですよ、GEZANには。「そう、だから、だから実はさ、この企画するってなってから、もう一回聴いてみようかなって思って。(笑)」―ふふふふ。「で、もっかい聴いて。多分さ、今までも聴き直してきたんやけど、前と違うのはもう、この人達は本当にすごいんやなって、文章読んで、思い知らされて。いざ、さっきGEZANの『DNA』って曲聴いたら、あれ、意外と・・・。」―そうなんですよ!「声はやっぱ違和感があるけど、ああでも、曲、いいなって思ったし。何だろうね、何か不思議な感じがした。」―そうなんですよ、何かね、入るごとにどんどん何か、魅力が沁みてくるというか。一個ずつ扉を開けていく感じというか。「うーん。何かその感じって、洋楽っぽい。」―あー、なるほど。「海外の音楽でいうと、僕が洋楽聴き始めたのって、2007年ぐらいで。Arctic Monkeysが出てきて、セカンドアルバム出したときぐらいの時期なんですよ。」―うんうんうん。「そんときに、MTVとかめっちゃ見てて、で、そのArctic Monkeysの新曲と一緒に、The Strokesのサードアルバム『First Impressions of Earth』の、2曲目 の「Juicebox」がかかってて。それ滅茶苦茶気持ち悪かったんですよ。ほんまに。」―(笑)「ほんまにめっちゃ気持ち悪くて。でも不思議なことに、今一番好きなのは、その曲が収録されてる、サードアルバムで。もう何回も、アルバム最初から最後まで聴けるな、ってなってて。多分、その感じなんかな。」―うんうん。そういう音楽ほどはまるというか。自分のタイミングがきたらはまる感じありますよね。あとすごい、行動がすごいから。行動力もそうだし、発言もちょっと、際立ってるところとかもあるじゃないですか。入るときに抵抗がある人、多分いると思うんですよ。私もちょっと、入るきっかけがよく分からなくて、でも気になるみたいなことがずっと続いてて。「うん。」―入ってしまえば、何かズブズブはまっていく感じ。「うんうんうん。」―音楽も、最初は多分、自分の感覚とそこまでマッチしてなかった時期がずっとあったけど。多分、あの文章を読んでから。小説も読んで、言葉がすごいなっていうとこから。あと、ドキュメンタリーのライブシーンとかもすごい良かったんですよね。そういう風に、違う扉から入っていった感じがするんですけど、それがはまってしまって。さらにこの全感覚祭で、めちゃめちゃすごいこと、やってるなあっていうので。あのステートメントに心動かされなかった人はいないんじゃないかなってぐらい。「すごすぎたわ、まじで。」THE インディペンデント「あと、このイベント自体がさあ、投げ銭やから、極端な話タダで来ることもできるし。しかも、フードもフリーって言ってるんやから。タダでご飯を食べるって、意味わからんくない?(笑)」―はは(笑)「意味わからんっちゅうか、その、まじで石原軍団の炊き出しかよ、みたいな。」―ふふふ(笑)「そんなことって普通、イベントやのにさ、あり得ないじゃないすか。そもそも、入場料あるもんやし、で、かき氷とか食べようもんなら、少なくとも500円ぐらいはかかるわけで。」―うんうん。「それはもちろん、出店料があってさ、イベントが成り立ってるって意味もあるから。それが完全にフリーなわけやからさ。もうはちゃめちゃすぎるよね、これ。(笑)」―最初に二人で全感覚祭の話をして、投げ銭で、今年が上手くいかなかったら来年は無いかもしれない感じでやってるらしいって話した時に、何か試すような感じでやってるのかなってことを私言ったと思うんですけど。矢部さんが、「それって信じてるってことだよね。」って、言ったじゃないですか。あれがね、ぐさっときてね。「いや、それしかないでしょ。」―そうかあ、それすごいなあって。「もう、このイベントっていうのは、何つったらいいんかな。多分ね、マヒトって人は、めちゃくちゃロマンチックなんやと思うけど、今、この時代にさ、人の繋がりっていうものを信じようとしてて。そこを本気で信じてるからさ。まあ言ったら、命綱なしでさ、飛び降りてるようなもんやん、このイベントって。」―うんうんうん。「でもさ、下でちゃんと受け止めてくれる人がいるって信じてて飛び降りるわけ。で、じゃあ、それ誰が受け止めんねんって、俺らがまずやらんとあかんやろって。だってさ、BELONGって、これまでインディペンデントって特集してきててさ。で、これ、一番インディペンデントなイベントやん。だって、会場もさ、自分達で会場探ししてやってるわけで。だからその、手作り感も手作り感やし。やってることも、何でもフリーにしちゃう、っていうのはもう、信頼関係あってこそっていうか。」―本当そうですね。あと確か、大阪の会場は去年と同じROUTE26周辺ですかね。今度ね、ROUTE26がFANDANGOになるんですよ。「ああ、これ、FANDANGOのこと?あれやんね、十三、から。」―そうそう、去年はねROUTE26やったんですけど。その周辺にステージがあって、ROUTE26も使って、っていう感じやったと。今年、10月1日からFANDANGOが堺に移転して、で、移転前なんですけど引っ越し作業終わった後に全感覚祭に使われるから、そのお目見えもあったりして。「ああ、じゃあ全感覚祭で、移転したFANDANGOに名前を変えてこけら落し公演になるってこと?」―こけら落しはね、10月1日なんですよ。でも、こけら落し前の、堺FANDANGOみたいな感じですかね。「なるほど、こけら落し前の前みたいな感じ。」―そうなんですよ。「GEZANはよくFANDANGO出てたってイメージあったから、それも何か、必然のような感じするし。」―そうそうそう。で、東京の方は今、何かYouTubeに公開されてますよね。確か、東京のステージになる場所。すごい場所で、何か、ここを・・・?みたいな。つい最近、草刈りしてはった。「あはははは(笑)。」―十三月のメンバーの皆さんとかと、多分ボランティアの方と。草刈りからやるんや!っていう。「すげえなあ。」―ほんと手作りなんやって。まだ何にもなくて、登り台っていうか、人が登れそうな、まあ、そんなところがあって、あそこら辺がDJブースみたいな感じで話してはって。YouTubeで。「まじで?すごいな。」―でも何かその、まだ草もあるその風景に、アーティスティックなイメージがすでにあるみたいで。この空間をどう生かすか、みたいな感じの。「ていうか、そこから見せちゃうっていうのが、面白いよね。」―そう!すごい面白い。「あのさ、HAPPYがさ、京都でイベントやったやん。」―やってましたね。「うん、あれもさ、BELONGで話聞いたときにさ、設営も自分達でやって。最初草刈りから始まりましたよ、みたいなこと言っててさ。」―はは(笑)。やっぱり草刈り!「まじで?と思って。そんなことしてたの?って言ってたけど、まじで同じ感じなんやって思って。まじで、インディペンデントにもほどがあるやろ、みたいな。」―すごいですよね。

【Music Lovers File⑤】支柱となるひと ~ギタリスト、REC/PAエンジニア・WAVERIDER岩谷啓士郎~

Photo by Benjamin Akai at Small works apartment. hen  http://swa-hen.com質問1. どういうきっかけで今のお仕事を始めようと思われたのでしょうか?レコーディングエンジニアとライヴ音響は同時期に始められたのでしょうか?まず高校生の時にギターを始めて、好きな曲をコピーしたりコピーバンドをやったりするうちに、自分で曲を作ることにも興味が出てきました。ただ、当時はバンドを組んだとしても、メンバーにあれこれ指示して演奏してもらうということをうまくできる気がしなくて、エンジニアになれば自分の作品を自分で形にすることができるのでは、と思ったことがきっかけでした。その後、都内のレコーディングスタジオの求人に応募して、運よく見習いをさせてもらえたことがキャリアのスタートです。今思っても本当に奇跡的にラッキーだったんですが、そこで当時から自分が一番好きだったスーパーカーのレコーディングの現場に立ち会うことができました。その時にエンジニアを担当されていた益子樹さん(DUB SQUAD, ROVO)が、アーティストとしての観点からも深く音楽に関わっている姿を目の当たりにして、それが自分にとって最初の大きなヒントになりました。そのスタジオを離れてからは、自分のバンド活動と並行しながら、渋谷のnestというライヴハウスで(PAではありませんでしたが)バイトを始めました。そこで繋がりができたバンドのレコーディングをさせてもらったり、ギターで演奏のサポートなどをするようになり、それが段々と仕事になっていきました。もちろん技術的にはまだまだ未熟でしたが、自分が関わることで作品やライヴが形になっていくこと、それを人が喜んでくれることがとにかく嬉しかったですね。そうしているうちに、スタジオ時代にお世話になった方から、日暮愛葉さん(Seagull Screaming Kiss Her Kiss Her)のサポートの依頼を頂いたことが大きな転機になりました。そこからLOVES.というバンドに発展してギタリストとして参加するのですが、1stアルバムのレコーディングでzAkさん(FISHMANS, buffalo daughterなど)との出会いがあり、アシスタントのような形でレコーディング、ライヴ問わず様々な現場に手伝いに行かせてもらうようになりました。そしてzAkさんのスタジオ”ST-ROBO”を自分の仕事でも使わせてもらうようになり、ここで経験したことや学んだことの多くが、今の自分の原点になっているように思います。ライヴ音響については、レコーディングと多少共通する部分もありますが、基本的には別の仕事なので元々はやるつもりはなかったのですが、PA出身でもあるzAkさんの、レコーディングにも良い影響があるよ、という勧めもあって、きっかけを探していたところ、以前ギターとして参加していたトクマルシューゴバンドにPAとして復帰する形で始めました。最初のうちはPAのワークフローについての知識はほとんどゼロで手探りの状態だったので、各方面に迷惑をかけまくってました。たくさんの方々に教えて頂きながら今日まで何とかやっていますが、一緒になったPAさんから、なんかレコーディングっぽいですよね、というようなことは、いい意味か悪い意味かはわかりませんがよく言われます笑。自分でも楽しみつつ、必要としてもらえているうちはやっていきたいと思っています。質問2. レコーディングエンジニア・ライヴ音響のお仕事には、“耳”、“聴く力”といった要素が重要であるように思います。ご自身が自分にその要素がある(もしくはあると思う)と思い始めたきっかけはありますか?また、それ以外にどのような資質が必要だと思われますか?”聴く力”については、単純に身体的な聴覚が優れているか、ということよりも、いくつ”耳”を持っているか、ということが重要なのかなと思います。例えば自分の場合は、聴覚という意味では特に優れているとは思いませんが、10代の頃からのリスナーとして、プレイヤーとして、そしてエンジニアとしての3つ”耳”を持っていることが、あらゆる場面で大きな助けになっています。音楽に限らず、いろんなことに興味を持って”耳”を増やしていくことが大事かなと思います。必要なポイントさえ押さえて訓練すれば、音響的な面での”聴く力”はある程度は誰でも身につくと思います。音の性質や挙動、人間の聴覚の特性、錯覚しやすいクセなどを、知識としても感覚としても掴みつつ、それらを利用しながら音を作ることを意識すると良いと思います。質問3. ご自身が所属するWAVERIDERについて教えてください。2012年に東京から奈良に移住したのですが、そこでMORG Studioを運営している門垣良則さんに出会い、声をかけて頂いて一緒に仕事をしていく中で誘いを受け、同じくエンジニアの岡村弦さんと僕の3人でスタートしたチームです。基本的にはフリーランスの集まりといった感じで普段はそれぞれの仕事をやっていますが、WR-81など機材の開発や新人の育成など、要所で協力し合って良い相乗効果が生まれています。拠点は奈良ですが、東京にもcatapultというスタジオを設立して、関西と東京を結びつつ、両方の良いところを取り入れながらより良い環境作りを目指して活動しています。質問4. 岩谷さんはuncommon ghostのギタリストとしても活動され、Ropesの『Baby』にはアコースティックギターやベースとしても参加されています。ギタリスト、またプレイヤーであることと、REC/PAエンジニアであることについて、音楽に向き合う上でどのような違いがありますか?向き合う上での根本的な違いはないかなと思っています。聴こえた音に対して、反射的にその時の立場によって最善の方法を選び取っている、という感じです。エンジニアとして関わっていても、EQやミックスのバランスではなく、ギターやその他の楽器やアレンジなど、別の要素を入れた方がいい結果になりそうな時は積極的に提案しますが、たまにそのまま自分で弾くことになったりもします笑。それが最近だとRopesやPolarisの作品ですね。質問5. 岩谷さんの録音された作品は一音一音がくっきりと浮き上がるような美しさや、別空間に居るような立体感があって引き込まれます。アーティストによって録音の仕方はどのように変えているのでしょうか?嬉しい感想ありがとうございます。録音やミックスに関しては、少し技術的な話になりますが、例えばギターだったらレンジ広さや歪み感、ヴォーカルだったらダイナミクスや息のニュアンスなど、プレイヤーがコントロールしやすい部分はできるだけそのまま再現する、ということを心がけています。逆に、超低域や超高域などプレイヤーが比較的コントロールしにくく、かつ、仕上がりの音像の大きさに大きく関わってくる部分には積極的に手を入れるようにしています。録音の仕方については、まずそのアーティストにとって演奏しやすく、普段のパフォーマンスを出しやすい方法をできるだけ選ぶようにしています。その中で音質的に大きく不利になってしまうような要素がある場合は、相談しながらより良い方法を提案させてもらっていますね。質問6. ライヴハウスでも録音されることもあるとお聞きしました。ライヴハウスで録音する難しさや、ならではの魅力などがあれば教えてください。一番大きなメリットは、常に演奏者と同じ空間で同じ音を聴くことができるので、イメージの共有がしやすいというところでしょうか。そして多くの場合、一般的なスタジオのブースよりも広くよく響く空間を確保できるので、良いドラムのアンビエンスが得られます。反面、機材を全て持ち込まなければならないことと、音の被りの問題が出てくるため、録り方やモニタリングにかなり制限がある、などのデメリットもありますが、録るバンドのスタイルによっては敢えてライヴハウスを選ぶこともあります。質問7. 昨年12月にリリースされたNo Busesの『Boring Thing - EP』は岩谷さん自ら連絡をとられてレコーディングをすることになったとお聞きしました。時代を飛び超えるようなきらめきのある音楽、確固たる世界観がとても魅力的な作品だと思いました。この作品のレコーディングについてと、彼らの魅力について教えてください。

【WAVERIDER/岩谷啓士郎×LOSTAGE/五味岳久・アナログリリースンタビュー】 2年後の『In Dreams』

  Jacket photo by タイコウクニヨシ始まりのこと―お二人が一緒にお仕事されるようになったきっかけをお聞かせいただけますか?五味:「最初に俺がちゃんと会ったんは、岩城が連れてきたというか。奈良に引っ越してくる前に。」岩谷:「そうですね。」五味:「僕らはNEVER LANDってライブハウスで『Echoes』ってアルバムを録音してて。そんときStudio MORG自体はあったんすけど、僕ら使ってなくて。場所だけNEVER LAND借りて、東京の上條ってそのアルバムのエンジニア、そいつに東京から機材も持って来てもらって。で、ライブハウス使って録音してたところに、啓士郎くんが来たというか、岩ちゃんが連れて来たんやったっけ?」岩谷:「そうですね。それまで僕、10年ぐらい東京に住んで仕事してたんですけど、関西に引っ越そうかな、みたいな感じの時期で。岩城さんとは元々、僕がサポートやってたACOっていうシンガーソングライターの方と仕事してるときに、一緒に演奏とか仕事はしてて。で、岩城さんが奈良から通って、そういう仕事もしてるのを見て、それはすごいヒントになって。」五味:「ゲーム仲間じゃないの?岩城とは。」岩谷:「最初は、最初はゲームじゃないです(笑)。」―あははは。五味:「ゲームばっかり一緒にやってるイメージで。」岩谷:「言うてもそこまで・・・(笑)。」五味:「あんときもう、奈良って決めてたん?」岩谷:「一回ちょっと行ってみようと思って。物件とか見がてら。多分、2泊ぐらいで滞在してて。ちょうどレコーディングやってるって聞いて。」五味:「そうそう。ちょうど現場来てもらって。で、俺ちゃんと喋ったんそん時とかちゃう?その前から存在は岩城に聞いて知ってたんやけど。」岩谷:「でも僕ライブは見てるんですよね、その前に。何回か見てるけど、岩城さんしか喋ったことなくて。」五味:「その日に一緒にラーメン食いに行って。」岩谷:「彩華ラーメン。」 五味:「彩華ラーメン。」―(笑)五味:「それが2012年やから・・・7年前。」岩谷:「そうですね。もうそんな経ちますね。」―そうなんですね。五味:「で、引っ越してきて、同じ街に住んでるから顔合わせるじゃないですか。それで仲良くなったみたいな。最初仕事でって感じじゃなかった。」岩谷:「そうっすね。」五味:「ちょうど僕らも、いつもやってもらってるPAとか専属のエンジニアとか、この人と毎回やるみたいな固定のメンバー的な人とかいなかったんで。近くに住んでるし、せっかくやったら一緒に何かやれたらいいなって感じで。やってもらったら、まぁ、はまって。これはいいぞって。その延長線上に今いるみたいな感じっすね。」制作秘話―ちなみにこの『In Dreams』はもともとアナログを発売しようと思って作られたんですか?五味:「今まで、セルフタイトルで3人になってからは毎回アナログ切ってたんで、今回も出すつもりではいたんすけど。何かCD出したらそこそこ反響もあって、それなりの枚数出て、忙しかったこともあって。あと、どういう形態で出すのがベストかみたいなの色々考えてたら、すごい時間空いてもうて。どっちかっていうと、CDで結構・・・何やろ、満たされたじゃないけど、反響が良かったんすよね。CDがガーっといったんで、そっちに結構エネルギー使ってしまって。取材とかも多かったし。レコード出しそびれてたな、みたいな。で、落ち着いてきて、どうせ出すんやったらやっぱいい音で。レコードって、1枚に長く入れると音悪くなっていくんで。せっかく出すんやったら、MAXでいい音でっていうの考えて、2枚組。ちょっとお金もかかるんすけどね、2枚組にすると。」―このアナログのロットナンバーは手書きで書かれてますよね?五味:「そうですね。最初別に何も考えてなかったんですよ。ポストカードみたいなんが入ってるんで、せっかくやったら書くか、と思って。CD頑張って手売りで売ってたし。」岩谷:「その辺の数の感覚がちょっとね。発送作業によって崩壊してる感がありますよね(笑)。」―あははは(笑)。五味:「1000枚作ったんで。1000枚やったらまあいけるな、と。一日100枚やったら10日か、みたいな。計算したら。」二人:(笑)五味:「ちょうどその前に、Ropesのレコード出したんですよ。そこに、ダウンロードカード入ってるんですけど。まあ僕も気大きなってるんで、これ普通に出しても面白ないから、ダウンロードカードに全部サインしてくださいっつって、二人に全部サインさせて。絶対そういうのついてた方が喜ぶからって。皆が買ったときに。それで二人とも、「やります。」って言って頑張ってやってくれてたんすよ。で、それゆった直後に俺なんもやらへんのまずいなって。」二人:あはは(笑)。五味:「俺もやろってなって、ナンバリング入れたっていう。手作業で手が加えられてるのが入ってたらやっぱいいと思うんすよね。モノ買う時とか。だから、通販ん時も一筆添えるようにしてるし。そういう、こう機械でバンバンて作ったみたいな・・・ま、レコードはそうやって作ってるんですけど。何かこう、自分が売るんやったらそういう何かを添えときたいなってのは、一番の理由ですけどね。」―それでは、作品のことに移っていきたいんですが・・・。五味:「まあまあ時間経ってるから、思い出しながら。」岩谷:「2年前ですからね。ほんとちょうど2年前ぐらいにミックスをやってたんですね。」五味:「録ってるときとか、ミックスんとき以外は、そこまでこの曲がこうでこうでみたいな話し合うこととかないな。」岩谷:「まあ。そうすね。」五味:「普段の音とか曲の感じとか、スタジオで簡単に録ったやつとか聴いてもらって、大体の方向性は啓士郎くんに決めてもらってますね。こういう音にしたいとかそれぞれあれば、その都度言いますけど。全体の曲とか、アルバム全体とかは、結構丸投げ。って言ったらあれですけど。僕らは演奏とか歌ったりとか日常的にやってて、音については考えてるけど、全体をどういう風に混ぜるかとか、聴かせるかとかは、プロに任せた方がね、良くなると僕は思ってて。あんまりこう、こっちで細かくは・・・。もっとベース上げてくれとか、他のバンドがどういう感じか分かんないすけど、もっとこうして、もっとこうしてって皆がそれぞれ言うともう、結果良くないっていう(笑)。」岩谷:「(笑)。」五味:「感じしかしない(笑)。僕は。」岩谷:「全員が上げくれっていうと結局同じバランスに(笑)。よくある、笑い話ですけどね。ふふ。」五味:「曲作ってる人とか演奏してる人って、もうその曲を完全に客観的には聴けないんで。中に自分がいるから。だから、第三者の意見とか、第三者の感覚っていうのを優先してもらった方がいいんじゃないかなっていう気持ちではいますね。そのためのエンジニアだと思うんで。」―岩谷さんがメールインタビュー(※後日公開予定)の中でbachoとのスプリットの時は、最終的にbachoに寄せて仕上げたというお話をされてましたが、LOSTAGEをミックスする方向性みたいなものが岩谷さんの中にあるんでしょうか?岩谷:「方向性というか、単純に音の・・・具体的に一番違ったのはドラムの音の感じなんすけど。」五味:「まあ、そこはアコースティック楽器っていう。」岩谷:「人によって違いが一番出てくる部分なので。そこは誰かの同じセッティングに合わせても、合わない部分が出てくるなっていうのはありましたね。LOSTAGEの音は、ちょっとこう、面できてるというか。bachoはこう、点がはっきりしてるっていう。そこをどっちに、どの部分で落としどころをつけるかっていうのは結構迷いました。」五味:「分かるわぁ。その面と点、っていうとこ。分かるけど・・・多分、バンドの音知ってへん、読んだだけの人は分からへんと思う。」二人:「ははははは(笑)。」五味:「ライブとか見てたら分かるけど。」岩谷:「そうですね(笑)。」―面と点って例えばどんな感じですか?五味:「曲ごとにどうとかっていうよりは、出てる音の、音の出方っていうんですか。」岩谷:「そうそうそう。」五味:「bachoは、そうですね、語弊があるかもしれないんですけど、でこぼこしてる。僕らは多分、バーンってなってるんすよ。」岩谷:「(笑)。」五味:「どっちがいいとかじゃないすけど、壁、みたいな。壁の素材がレンガなのか、それともコンクリのブロックなのかみたいな。」―なるほど。五味:「どっちも同じ強度であっても、佇まいがやっぱ違うじゃないすか。そういう印象ですね。」岩谷:「人数もあると思うんですよね。3人と4人ていう。3人になってから結構そういう物足りなさみたいな、4人のバンドに負けない迫力みたいなのを、意識的にも無意識的にも、多分すごい試行錯誤してやってきた部分が今の音になっているっていうのはありますけどね。」―『In Dreams』のレコーディングを始めるにあたって、岩谷さんは最初に曲を一気に全部聴かれたんですか?どんな感じですすめられたんでしょうか?岩谷:「曲によって違いますね。しかも、これ・・・」五味:「ぶっちゃけるとな。」岩谷:「2回に分けてる・・・。」 五味:「そうそう。2回に分かれてる。」―ええ!そうなんですか?岩谷:「もともとは、フルアルバムじゃなくって・・・。」五味:「そうそうそう。」―え、そうなんですか!?五味:「今となっては別に結果オーライなんですけど。」岩谷:「別に隠してるわけではない。」 五味:「そう、隠してるわけではない(笑)。」岩谷:「ははは(笑)。」五味:「でも、よっしゃアルバム作るぞって感じで作ってたわけではないんすよ。実は。何となくまとまった感じになってますけど。」―すごいまとまってるなーと思ってたんですけど。五味:「どの曲やったっけ?」岩谷:「多分、『泡沫の』『戦争』『I told』『Shoeshine Man』かな。この4曲。」五味:「後半、『僕のものになれ』以外。」岩谷:「これは多分、他の曲を録る1年ぐらい前に録ってるんすよ。NEVER LANDで。」―そうなんですね!五味:「リリースの予定があって、で、色々あって流れて。でも曲は気に入ってるし。どうせ出すんやったらミニアルバムよりは、曲足してフル尺にして出す方がいいんじゃない?ってなったと思います。確か。」―すごいまとまってるから、もうアルバムとして作ったんだとばっかり・・・。五味:「俺もまとまってて、その事実を自分の中で消し去ろうとしてました(笑)。」岩谷:「そうですね。そうそう。」五味:「でも今思ったけどその時点で4曲出したら、だいぶ地味な感じやな。良かった。アルバムにして。」岩谷:「で、残りの曲はMORGで。」―そうなんですね。東京の方のcatapult studioの名前もクレジットに入ってたと思うんですが・・・。五味:「それは最後の方・・・。」岩谷:「『REM』かな。『REM』の歌録りだけ残ってて・・・。」五味:「ああ、あれもや。『泡沫の』と『窓』のコーラスも。」岩谷:「『窓』のコーラスね。」五味:「ややこしかったやつ。」岩谷:(笑)。―ややこしかったんですか(笑)?五味:「歌録りがちょっと残ってたんで、東京のスタジオに僕単独で行って、歌入れさしてもらって。そんな大きいとこじゃないんで。何か、楽器がっつり録ってというよりは、ほんまに歌録ってミックスみたいな。」岩谷:「そうそう、ダビングとミックスみたいなスタジオで。」五味:「で、やってるとこに、そのおとぎ話の前越っていうやつと、まさるっていうシンガーソングライターの島崎大っていう友達が、遊びにというか応援しに。」―呼ばれたわけじゃないんですね。五味:「あれ呼んだっけ・・・。まあ、僕があいつらを呼ぶことはない・・・ですね、多分。」二人:「あははは(笑)。」岩谷:「いや、ハーモニカは多分・・・。」五味:「あ、そっか。ハーモニカは、吹いてよみたいな。そいつ弾き語りでハーモニカ吹くんですよ。じゃ、呼んだか。うん。呼びました。」―(笑)岩谷:「前越くんは、遊びに来たね。」五味:「遊びに来たな。まさるについて来た。で、せっかく来たし、ハーモニカのついでにコーラスもやってみてって。結果でも、良かったな。」岩谷:「コーラスの時は多分、完全に酔っぱらってましたけどね。」―あははは!五味:「(笑)。むちゃくちゃ、もう、ビールの6個缶ばーっ持ってきて(笑)。ずーっと飲んでたもんな。」岩谷:「コーラスっていうか、半分野次みたいな感じの。(笑)」五味:「最後ぜんぜん帰ってくれへんしな・・・。」 岩谷:「そうそう。」五味:「もういいからって(笑)。」 岩谷:「あれね(笑)。」五味:「このアルバムに関しては、NEVER LANDも、MORGも、catapultも全部使いましたね。」―コーラスの野次みたいな感じ全然分からなかったです。(笑)五味:「それもミックスでこう・・・。」二人:(笑)岩谷:「野次っていうか、何かもう、歌い方がなんかね。酔っ払いのこの・・・。」五味:「こうやって肩組んでコーラスしてたんすよ。マイクの前で。」岩谷:「そうですね。『窓』のバックに入ってる。」五味:「サビらへんのバックか・・・。結果でも良かったですね。」岩谷:「そういう人達が今増殖して、ライブで歌ってますからね。」

【Music Lovers File④】景色をつくるひと~ライブバーファンダンゴ店長・加藤鶴一~

質問1. どういうきっかけで音楽に関わるお仕事を始めようと思われたのでしょうか?元々、僕自身は将来こうなりたいとか、何かをしたい等のビジョンが全くありませんでした。ただ自分に刺激を与えてくれる音楽が好きで、そういう音楽を体感しに行った場所でアルバイト募集のポスターを見てしまったのが今に繋がってます。仕事が不安定で食べていくのも必死だった当時の僕にはそのポスターが凄く魅力的でした。だから、それがファンダンゴというライブハウスだっただけで、ちょっとタイミングがずれていたら全く別の職種に就いていた可能性もあります。質問2. ご自身が音楽にのめり込むきっかけになったことがあれば教えてください。全てにおいて多感な中学生の頃、僕の友達で小学生の頃から一人暮らししている子がいて、自然とその子の家が皆んなの溜まり場になってしまって、僕は色んなものをその溜まり場で教わりました。ここでは書けない事がそのほとんどですが、その中で一番刺激的だったのが音楽でした。中学2年生の時にジョンレノンが射殺されて、それが切っ掛けでビートルズを窓口に洋楽を聞くようになったのが切っ掛けですが、その僕らの溜まり場には色んな人間が出入りしていて、その一人一人が自分の好きなレコードを持って来ては、別のものを借りて帰るというような事をしてたんです。それが僕にとっては凄く大きかったですね。質問3. ファンダンゴとの出会いについて教えてください。1988年に当時大好きだったTHE FOOLSという不良の匂いしかしないロックバンドを見に来たのが、最初の出会いでした。当時ちょこちょこ遊びに行っていたエッグプラントという西成にあったライブハウスも最初は入るのが怖かったですが、ファンダンゴも最初に入る時に緊張したのをよく覚えています。僕が若かった頃のライブハウスは、不良の溜まり場的なイメージが先行してて、今ほど世間に認知されてなかったように思います。

【Music Lovers File③】世界をつなぐひと~FLAKE RECORDS店長・和田貴博~

質問1. どういうきっかけでレコード店を始めようと思われたのでしょうか?元々なんらかの音楽の仕事に就きたくて、音楽専門学校を卒業し、バンドをやりつつ、CDショップでのバイトをしていたところ某レコードショップの店長と知りあい、引き抜かれる形でそのレコードショップで働くことに。そしてそのショップが倒産後、元々付き合いのあったバンドマンとともに起業し、未来の様々な仕事への広がりなどを見据えて、自身でレコードショップを開店することになりました。質問2. 音楽にのめり込むことになったきっかけがあれば教えてください。小学生の頃に香港映画、洋画にのめり込み、その主題歌などに興味を持ち、テレビの前にカセットデッキを置いて、それを録音したりしていました。あとは近所のレンタルレコード店に入り浸り、当時民放でやっていたビデオクリップ番組SONY MUSIC TVやPOP BETTY HOUSEやらをひたすら見るようになりました。質問3. レコード店であると同時にレーベル『FLAKE SOUNDS』も運営されていますが、なぜレーベルを始めようと思われたのでしょうか?バイヤー業務の延長で、いい音楽だと思ったやつをたくさん仕入れて、たくさん紹介したいな。という気持ちです、仕入れて紹介だと、自分の店の範囲なので、レーベルをやるともっと広くに届けられるかな。という気持ちで。質問4. FLAKE RECORDSといえば、鮮やかなディスプレイと熱のこもったPOPが印象的で、何時間でも店内に居たくなるような魅力ある空間を作られていると思います。店内のこだわりについて教えてください。全ての商品を僕を介して仕入れている、コメントを書いているということが、こだわりである感じですが、単に人不足ってだけかもですが、店的にはお客さんに手を差し伸べる、背中を押すって感じで、コメントや試聴を意識していたりします。従来のレコード店にある、レコードを各自で試聴できるシステムは取っておらず、こっちがこれいいよ。と提示する感じで、道しるべとしての試聴機の役割を考えています。買いたいもの、欲しいものを買いに来るというよりも、なんかないかな?っていう気持ちに応えられるように、知らないものを知ってもらうようにしたいという強い意識があります。

【bacho/LOSTAGEスプリット『HOMETOWN E.P.』インタビュー】4 - Koboreochitamono

五味:「今日届くレコードが俺めっちゃ楽しみなんすよ。」北畑:「ふふふふふ。」五味:「すごいんすよ、レコードが。仕様が。・・・これ、買ってほしいな。」北畑:「早よ、見たいすね。現物見たい。」五味:「見た見た?写真だけ?」 北畑:「まだ、写真だけ。」五味:「ものすごい手間がかかってる。」―リリース情報にA side、B sideって無くて何でだろうと思ってたんですけど、4曲を片側に入れたってお聞きして・・・。五味:「そうなんすよ。片方に全部入ってるんすよ。だから、レコードとしては贅沢な使い方というか。で、その反対側に何が入ってんのかっていうことなんですけど。」―え?入ってるんですか?五味:「それはね・・・・入ってるっていうか、あれやな・・・」北畑:「まあ、見たら・・・」五味:「見たら分かると思うんすよね。」北畑:「ふふふふふ。」五味:「こんなん見たことないな、みたいな。僕もレコード屋やってるんで、レコード毎日触るじゃないですか。いきなり開けてこんなレコード出てきたら、ちょっとビックリする、みたいな感じの。」―えー。北畑:「ふふふ(笑)」五味:「仕様になってますね。」―楽しみですね。五味:「超楽しみ。」北畑:「うん。」―すごい楽しんで作っておられる感じがしますね。五味:「そうすね。でも、それは宇宙さんかな。」北畑:「うん。」五味:「宇宙さんて、cosmicnoteのレーベルオーナーが、モノ作るプロというか。こういう風にやろ、こういう風にやろ、こんなんも出来る、こんなんも出来るってめっちゃ言ってくれて。で、皆で、わ、そんなん出来るんすか・・・って。」―(笑)五味:「(笑) ほんで、やってもらったらやってもらったで、めちゃめちゃ大変な作業・・・・」北畑:「ははははは。」五味:「これ、間に合わへんのちゃう?みたいな。だからそう、宇宙さんのアイデアで。宇宙さんとじゃなかったら、多分できない。」北畑:「そうやと思う。」五味:「ま、お互いのバンドももちろんあるんですけど。やっぱそのレーベルオーナーのアイデアが、ありきのフィジカル。」北畑:「色々面白がってくれるんで。えーこんなんあるけど、できるで、みたいな。上手いこと、それもはまったし。何かええ感じっすよね。」五味:「そうやな、ほんまに。僕もレーベル自分でやってるから、僕の場合、メンバーでもあり、レーベルオーナーでもあるから。そのレーベルの人としても、宇宙さんと僕で、色々やりとりしてたんすけど。お金のこととか、数字のこととか。そういう話とかも、普段は自分で全部やってるから、そういうアイデアとか出てこない、新しい考え方とかもあったりとか。逆に俺やったらそうせえへんみたいなことがあったりとか。で、すごい、作るというか発売に向けてのやりとりの中で、新しい発見とか、気付きとかあったんで。何か、これ次の僕のアルバムの売り方に関わってくるなってみたいなのは、めちゃくちゃあったっすね。音楽以外の部分で。モノを作るっていう、それ仕事にしてる人と、一緒にやれて良かったなって、思いました。」―ジャケットのところで“戦ってる”って話が出ましたが、地元から発信することも戦いというか、色々力が要ることが多いのかなって思うんですが。五味:「どう思いながらやってんの?」北畑:「まあ、俺はまあ。あんまり・・・」五味:「考えてない?」北畑:「や、何ていうんすか・・・じゃあ、例えば東京のバンドを倒したる!みたいな気持ちは・・・」二人:「あははははは!」北畑:「そういう気持ちは、ない・・・ま、何ていうんすかね。」五味:「絶対東京のやつには負けへんって、結構俺、いまだにあるけど。」―(笑)北畑:「あー。うん・・・」五味:「どっかにある。」北畑:「まあ、俺、楽しんでんすからね。結構。そういうの、普通に何か。面白がって。自分でやって。その方が自分に何か、音楽作るにしても歌詞書くにしても、色んな、新たな書く要素もらえるから。現実、もちろん戦って、負けたくはないし。勝ちたいって気持ちももちろんあるんすけど、あんまこう・・・わざわざやってることでもないすからね。わざと田舎からやってるわけでもないし・・・」五味:「あはは。」北畑:「たまたまそこに住んでるから(笑)。自分の生まれた街やから、そこでやってるだけの話で。まあ、それ東京生まれやったらね、東京でやればいいし。」五味:「確かに。狙ってるわけじゃない(笑)。たまたまや。」北畑:「その中で、自分はこうした方が、自分は楽しめるなあっていう、やり方をやっていってる感じすかね。」―地方にいる人間としては、そうやって活動してくれる方がいるっていうのが、すごく刺激になりますね。大都市に行かなくても、チャンスは地方でも作れるんだなっていうのを感じて、そういう意味でもこのスプリットが励みになります。確か、レコーディングをされた岩谷さんもこちらが拠点だとか。五味:「そうすね。今、そうすね。」北畑:「そうすね、特に不都合ないすからね。」五味:「確かにな。」北畑:「東京とか、色んな街にライブ行ってますしね。行って帰ってきたらいいだけの話。」五味:「実際このツアーで東京行くしな。」北畑:「ま、移動が、大変ていうだけやけど。慣れたらね。それも別に。」五味:「慣れるんすよね。怖いんすけど。」―そうなんですね。五味:「日帰りで東京とか、普通にぱっと行くもんな。でも、“HOMETOWN”って、姫路とか奈良とか書いてあるんすけど。CDのブックレットにも。姫路のこととか、奈良のことじゃなくて、その聴いた人の住んでる街とか、その人の暮らしてる場所のことなんで。そうやって、皆が自分のところに持って帰って、じゃあ俺、こういうことやってみようとか。別に音楽じゃなくてもいいっすよ。て、なんのが一番、かっこいいし。僕らが好きやった音楽ってそういう音楽やってた人らやし。ね、パンクとかハードコアっていったら、そういう音楽ですよね。まあ、めちゃめちゃパンクかと言われたらそうじゃないかもしれないすけど、曲だけ聴けば。でも気持ちは、そのパンクとかハードコアの音楽が持ってるエネルギーとかを出したいなってところは、どっちのバンドにもあると思うし。そんな難しいことやってないすよ。お互いに。ちょっと地方のなんか、面白いお兄ちゃん、先輩とかおって、そういう人みたいな感じがいいな、とか。」北畑:「楽しんでるしな、完全に。」五味:「ま、でもやっぱ俺は東京に一石投じたいみたいなんも、あるはあるけど。未だにちょっとある。」北畑:「あはは。」五味:「(笑) このツアーの最後、渋谷CLUB QUATTROでの2マン。結構俺、楽しみで。今日と明日は、ほんま友達の家に遊びに行くみたいな感覚で。もちろん今日も楽しみやし、明日姫路もものすごく久しぶりに行くんですよ。楽しみですけど、その、東京に2バンドで行くっていう、そこで来た人がどんな感じになるかとか。それ結構、俺楽しみにしてて。うん。」北畑:「楽しみ。」五味:「あはは。ほんまに、ガチガチの田舎もんすからね。(笑)」北畑:(笑)―『こぼれ落ちたもの』ってタイトルだけをパッと聞いたときに、自分は自分がそんなにメインにいる気がしないっていう感覚があるんですけど、“こぼれ落ちたもの”をLOSTAGEは置いていかない音楽をやっているってイメージがしました。五味:「そうっすね。自分もこぼれ落ちてますから。」全員:「あはははは(笑)」五味:「もう、色んなとこからこぼれ落ち続けた結果、ここにいるんで(笑)」北畑:「ははははは!」―(笑)五味:「そういう人と、一緒に見たい世界っていうのがやっぱあるから。そういうやつらを置き去りにしないって気持ちはあるし。もちろん、自分もそうやから。こぼれ落ちた人たちっていう・・・負けた人とか、出来なかった人とか、諦めた人とか、いっぱいいると思うんすけど。むしろ、そっちのが多いと思いますけどね、世の中ね。そういう人達の見てる世界ってやっぱあるから。それを歌にしたい。グレーで、そんなキラキラしてないかもしれないですけど。・・・そうすね。タイトル、そういう気持ちはあったかも。自分がまず、そうなんすよ。」北畑:「ふふふふふ。」五味:「うん。コンプレックスなんかもしんないんすけどね。田舎っていうのも、ほんまに都会とか、中心以外で、そっからもれたとか、こぼれたとかいうニュアンスがやっぱあるんで。それを自分なりに消化して、それを聴いてほしい。って、思いますね。」―なるほど。五味:「欽也くんも、だいぶこぼれ落ちてるなーって思います。」北畑:「あはははは(笑)!どこが?」五味:「(笑) 真ん中には居てへんやろ(笑)」二人:(笑)五味:「欽也くんだけじゃなくて、bachoのメンバーとか見てても、絶対にこぼれ落ちてるって、感じはしますけどね(笑)」北畑:「あはははは!・・・狙ってこぼれ落ちてるわけじゃないっすよ。」五味:「まあ、そりゃそうやねんけど(笑)」―(笑)五味:「それでもやる、みたいなところに、突き動かされてるなあって。」―全体的に、曲も含めてだと思うんですけど、諦めたこととか諦めざるを得なかったこととかを全部受け止めて、それでも前に進んでいこうみたいな雰囲気が4曲ともあって。聴いててすごく、抉られるような・・・。二人:「あははははは!」五味:「こぼれ落ちたんでしょうね。(笑)」―(笑) でも、それが頑張ろうっていうのに繋がるというか。五味:「こんな、きったないライブハウスとかにね、2000円とか3000円とか払って来るやつらって、まあ、大体こぼれ落ちてる・・・」北畑:「ふははははは。」五味:「そらそうでしょう、だって(笑)。そんな成功者が来ないですよ、わざわざ。こんな汚いとこに。そこにずっと居るわけですから。週一とか週二で。ね。色々ぐるぐるぐるぐる回って、何がある訳でもないですけど。やっぱそいつらに、何かいいもん見せたいな、ていうのはある。」北畑:「そやね。バンドが、表現できるもんがあるから。まず、今、やれてるから。これ何もなかったらきついすね。こぼれ落ちて。」五味:「あははははは(笑) ほんまにそこに縋りついてる、みたいなとこあるけど。」北畑:「しかも、好きやしね。」五味:「自分がそうやから、まず。バンドとか。ライブハウスとか。そういうものを拠り所にして、日々の生活を。」北畑:「そうそうそう。」五味:「支えてるんで。そのお金とか以外にも、気持ちの問題なんすけど。そういう人達っていっぱいいるし。バンドやってなくても。その場所とか、そういう音楽とか守り続けたいっていうのはあるな。ほんまにそういう人たくさんおるからな、実際。これなかったら、壊れてまうんちゃうかみたいな人とか。」北畑:「や、でも。それこそ、自分は音楽とか作ってなかったら、壊れてる・・・五味さんとか壊れてるでしょ?」五味:(笑)北畑:「ふはははは。」五味:「ほんま、やってなかったら俺何やってんのやろ?ってたまに考えるけど、ちょっと想像・・・ずっとやり過ぎてるとこもあるけど、想像できないすね。」北畑:「確かに。」五味:「良かったなあ、って思います。」―(笑)五味:「良かったなあって、あれやけど(笑)。それでこんな楽しい、ね。モノ作りとか。」北畑:「そうっすね。」五味:「ま、半分仕事みたいな感じにもなってるし。買ってくれる人もいて、お金頂いてるわけですから。ありがたい、ですね。やっぱそれは、還元していかないといけない。」―じゃあ、そんな作品をどんな風に聴いてもらいたいですか?北畑:「うーん。まあ、ざっくり言ったら自由に聴いてもらえたらいいけど・・・」五味:「それに尽きますね。」北畑:「好きな、自分が音楽聴きたいなって時に、何か好きな音楽かける中に、その一枚に入ったらいいなって。単純にそれ。あとプラスは、もし、楽しかったらライブハウスは来てくださいっていう。ま、絶対ライブ来いよ!って言いたいんやけど・・・色んな趣味が、自分の趣味に金使って、娯楽で音楽聴くじゃないすか。別に義務で聴くわけやないんやから。まあ、家で聴くんが好きやったら聴いてもいいし。ま、ライブハウスもおもろいからまた、来てくれたらええなって感じすかね。俺は、別にこういう風な聴き方してくれって感じでもない。好きに、楽しいようにやってください。それの道具にっていうか、その中に、自分のやる音楽がなるんやったら、そうなりたいなって思います。」―五味さんはいかがですか?五味:「そうっすね。まあ、聴き方までこっちが決めれないんでね。自由に聴いてほしいと、もちろんそう思いますし。どういう風に聴いてほしい、か・・・。でも、何か最近、その、時代を批判するとかそういうことじゃないけど、やっぱ音楽がダーッと流れて、すごいたくさんあって、そこに誰でもアクセスできて、そん中の、ほんまにそん中の一個みたいな感じで、通り過ぎていく音楽がすごい多いんで。今回その配信なしで、CDも限定・・・って言ったらあれですけど、3000枚って限定でもなんでもないすよ。」北畑:「そうすね。」五味:「正直、すごい多いすよ。この規模でやってるバンドにしたら。だから、別にな、すぐ無くなるって思ってないし。」北畑:「その無くなる・・・皆に探してもらお、みたいな感じじゃ全然無かったんですけどね。」五味:「そうそうそう。すごい今、ばーってなってて、皆僕んとこからとかすごい買ってくれてて、手持ちが売り切れるとかゆってるんですけど。ま、全然あるとこにはあるし。3000枚って全然限定じゃないんですけど。一応数字決めて、これだけしかないって。で、モノとしてこんだけしか存在しない。その、通り過ぎていかない音楽にしたいっていうのが、まぁ、あったんで。限定、みたいな。枚数を決めて出そうって、相談して決めて。レコードも1000枚。で、レコードってもっとその、何て言うんすか、決め打ちというか。ほんまに、大事にしてくれる人の手元に行けばいいって思って作ったから。何かあったときにそこまで戻ってくるみたいな音楽にしたいんですよね、やっぱり。一回聴いて、別にしばらく棚に戻ってるとかでいいし、毎日聴けとか言わないですけど。何か、今、世の中にいっぱいある、誰でもいつでも聴ける、無料で聴けるとか。そういうお手軽さとか便利さとか。別に僕ももちろん使うし、いいんですけど。自分の作った音楽に関しては、何かこうどっかで、何かあったときに戻って来れたりとか、帰って来たりとか。ま、“HOMETOWN”ってそういう意味もあると思うんすけど。その人にとっての拠り所っていうか、帰っていく場所みたいな感じの音楽になったらいいなっていうのが、どっかにやっぱ、ありますね。だから、数を決めたりとか。」北畑:「なるほど。」五味:「場所を決めたりとかっていうのを、やらなあかんなっていうのが、あったんで。まあだから、配信とかも多分、出さへん・・・。出す?出さへん?」北畑:「え?今回のですか?」五味:「今回の。」 北畑:「いやあ、今回のは出さない・・・。」五味:「こんな感じでもう、出さへんもんな。そう。何か、うん。それ自体、その人の帰る場所にしてもらえたらなーっていうのが。まあ、ずっと他の作品もそうなんですけど、今回はそれちょっと強めに意識したというか。せっかく一緒にやるし。その気持ちが何か、伝わったらいいなあと思いますね。」北畑:「・・・伝わると思う。」―思います。五味:「でも、また何か変な売り方しとるわあって、思ってる人もおるからな・・・。ややこしいな、こいつみたいな。」北畑:「でも、2バンドでやったら、意外にこういうたらまともな。」五味:「うーん。」北畑:「ま、音楽の内容はね、どないしようもない。バンドで作るからあれやけど。前のLOSTAGEのアルバムみたいなやり方は、五味さんが前言うた、五味さんの中でのそれが最善の方法やったんでしょ?で、またこういう、店で買えるっていう。まあ、俺らもスプリットはそうしようみたいな話になったから。それはそれでまた、面白い。ええこともまあ、あるやろうし。色んな何か要素が入って。」五味:「そうすね。bachoの今までの売り方の流れと、僕のやってきた事と。ていうのが今、いい感じで合わさって、今の出し方になったんで。で、僕も考えるきっかけをもらったし。聴く人にとっても、それぞれにやってきた事とか、まあ、プロセス全部汲めとは思わないですけど、やっぱり、それ込みでの僕らみたいなバンドやと思うんで。なぜそういう風にしたかとか。何かどっかで伝わればいいなって、思いますね。」北畑:「考えながら、これからもずっとやる訳ですからね。そりゃ、変わりますよ、色々。やりたい方法っていうのも。色んな影響・・・あ、こんな方法もあるか、とか。そんなんは色々あるじゃないすか。」五味:「今回でも、4000やったかもしれんなって、俺ちょっと思ってて。」北畑:「あー・・・。」五味:「ふはは。」―(笑)五味:「思ってたより、どっちもまだ求められてるなって。まあまあ、おっさんのバンドやし・・・」北畑:「あはははは。」五味:「そんなないやろって・・・」北畑:「嬉しい、嬉しい誤算っちゃそうかもしれないですけど。」五味:「まあまあ。」北畑:「あんまり、買うのを急がす感じじゃ全然なかったんです。」五味:「全然なかった。全然なかったけど、何かすごい心配したメールとか来て。まだあるんですか?とか。めっちゃメール来て。ああ、何か申し訳ないなって思ってね。あるとこにはまだ全然あるんで。」北畑:「店にはね、店に卸した分には各店に在庫があると思うんで。」五味:「煽るつもりとか、焦らすつもりとか全然無かったんすけど。」北畑:「そやねん。そんな価値出すつもりもないし。」五味:「ちょっと、そっちが先行してしまって。ま、ライブでね、ちゃんと届けれるように手配したいなと思うてるんですけど。難しいな。あれもな、難しいな。」北畑:「まあ、でもそんな分かんないすからね。」五味:「どこに何枚置くとか決めれへんやん、こっちで。数字僕も見たんですけど、前回俺、流通使ってなかったからさ。流通使ったらどうなるかっていうのを見て。今こういう感じなんやとか、結構数字から見えてきたものとかあったりして。それ僕、3000って皆で決めたときに、その感じ分かんなかったんで。何か今思えば、枚数調整したらよかったなとか。今は思いますけどね。難しいっすね、ほんまに。データやったら別に、アップロードすればそっから皆のとこばーって行くから、足りないってことも絶対無いし。逆に過剰在庫とかも絶対出来ないじゃないですか。結局それがいいから、皆、メジャーとかもそっちに移行してくと思うんですけど。モノを売る、難しさですね。」―やっぱりこう、手に入らない人とかも出てきそうな感じですか?北畑:「あとで思えば、なるかもしんないすよね。でも、出るのは知っとって買いたい人は、そんな速攻じゃなくても、手には入ると思う。」五味:「結局、あとで買えないってのはまあ、仕方ないことなんで。」―うん、そうですよね。五味:「だって、例えば・・・今、旬のものとか。今何?旬なものっつったら。イチゴとかそういうの、あるじゃないすか。一番美味しいときに食べるけど、夏になったら無い。イチゴ一番うまいの食いたいんすけどって言われても、いや、無いからって言うしかないじゃないですか。」―確かに。五味:「音楽って生ものなんで。いつでも同じ状態で無いんですよ。そら当たり前なんで。そこはね、言われてもちょっと対応しきれない。そこまで僕らが、全部皆の気持ちごと用意する必要もないんちゃうかなっていうのは、思ってるんすよね、どっかで。サービス業じゃないから。」―そうですね。五味:「農民ですよ、僕ら。農民を別にばかにしてるわけじゃない。すごい仕事やと思うし。その時旬なものを一番いい状態で、皆のところに提供する。そこまでが僕らの仕事なんで。それいつでも食えるように何か、イチゴの品種改良するとかそういうことじゃないじゃないですか。」北畑:「ははははは。なるほど。」五味:「皆、やってますけど。で、今一番いい状態で、今、出したから。それ皆聴いてほしいなって。今はその期間なんで。まだあるし。」北畑:「あるしね。」五味:「この記事が出たとき、多分まだあると思うんすよ。」北畑:「店には結構ね、皆とってくれとーから。ここの店が無くなったとかはあるかもしれないすけどね。もう、どこ探してもないっていう状態までは結構まだあると思う。」五味:「一応その、どこで売り切れてるとかも、僕もチェックして。ま、分かりやすいようにまとめたいな、とは思ってるんですけど。・・・その後、またメルカリとかで売りよんねん、あいつら。」北畑:「まあね。」五味:「定価とかあげよって。怖いわ。」―(笑)五味:「まあ、ライブに来たら聴けますから。CDなくても。」北畑:「うん。」五味:「あと、ほんま最悪、持ってる友達に借りるとか。」―ああ。五味:「それ、全然普通やったやん。」―そうですね。昔は。北畑:「俺、全然いやじゃない。」五味:「俺も全然いいと思う。そこで生まれるコミュニケーションとか、すごくいいと思うし。CD貸してよ、とか。今ね、データにして送ったりもしてると思いますけど、皆。別にそれでもいいっすよ、ほんまに。そこで何かその、聴いた人達のやりとりがあって、なんか意見交換されていくみたいなのって別に、いいから。人と人とのね、人間関係が生まれるわけで。」北畑:「うん。うん。」五味:「全然それで聴いてくれればいいし。モノはそういう気持ちで作ってるけど、その後どうなるかは、その聴いた人のジャッジというかね。・・・聴けます。多分、いつでも。」北畑:「うん。」ーはい。―じゃあ、最後に今後の活動についてお聞かせいただければと思います。五味:「何か決まってんの?この先どうするか。」北畑:「アルバムっすね。もう次、フルアルバムを。シングル2枚出して、スプリット。まあ、前は再録やったんで。もう、絶対アルバムです、アルバム。」五味:「新曲で。」北畑:「はい。まあ、シングルはちょっとまとめる可能性あります。」五味:「bachoて、ほんま年中ライブやってるよな。まあ、僕らもそうですけど。制作期間でがっつり休も、みたいなことやるってこと?」北畑:「いや。」五味:「やりながら?」北畑:「やりながら。結構ね、制作期間・・・進み遅いから、てなったらここで曲作ろうかってライブ減らしたりしても、別に皆普通に休んでますしね。ふははははは。」二人:「ははははは(笑)」北畑:「別に全然普通に、休んでるだけやないかって(笑)。」五味:「難しいよな。ライブやめたからって、CD出来るわけじゃないですもん。逆にやってる方が、何か刺激があって、曲出来たりすることもあるし。」北畑:「アルバム作って、まあ、あとは一緒。ツアーして。色んなとこ、出来るだけいっぱいライブしたいなーって。まあ、出来るだけこれからもいっぱいライブするためにアルバム作りたいし、作らなあかんっていう。まあ、そういう感じすかね、僕ら。」五味:「いつ出すの?」北畑:「・・・。」五味:「これまた今ゆってもうたら、あれやな。ははは(笑)」北畑:「いや、今年中に・・・録り終えたい。出るかどうか・・・は、もしかしたら・・・」五味:「来年になるかもしれない?」北畑:「うん。出ますよって情報揃えて、発表できるとこぐらいまでは行きたいっすね。出るかどうか、発売日が今年中に来るかどうかは・・・。」五味:「固めたい?」北畑:「うん。録り終わって、何月何日発売します、ぐらいは。」五味:「ああ、でも、それやったら俺らも一緒ぐらいのタイミングかもな。」―お。北畑:「ああ。」五味:「俺らも5月ぐらいから、ちょっと制作で、ライブ減らそかなってなってるんやけど。年内に固めてとか言ってたから。もしかしたら、いいタイミングで一緒に出るかも。」ーええー。楽しみですね。北畑:「フルサイズで、フルアルバム?」五味:「スプリットの後にさ、同じタイミングでフルアルバムとか結構いいよな。」北畑:「うん。」五味:「あいつら頑張ってるなぁ、みたいな。」北畑:「確かに。」五味:「また送ろうか?俺、じゃあ。」二人:「あはははは!」五味:「こういうの入れよう思ってんねんけど。」北畑:「牽制してくるん。」五味:「そっちどうなん?って。」北畑:「いいっすね(笑) 送ってください!」五味:「あはははは。」―(笑)五味:「そっか。じゃあ、いいかも。」 北畑:「うん。」五味:「僕らも、同じような感じですね。」―じゃあ、皆すごく楽しみに待てますね。スプリットの後も。北畑:「自分も楽しみやしね。ま、頑張らなあかんねんけど。音楽作るのって楽しいし。ライブで新しい曲やらな。自分らが一番いっぱい、同じ曲やってる訳ですからね(笑)。皆もそら、飽きひんって言われたら、飽きることもあるでしょ。そら。」五味:「また、この曲って。」北畑:「そうです、そうです(笑)。」五味:「あっはっは。」北畑:「(笑) それでも飽きひんて、好きやて言ってもらったら・・・嬉しいけど」二人:「はははは。」北畑:「自分もそら、嫌いにはならへんけど、新しい曲がないと、やっぱ今までの曲も楽しめないんで。」五味:「そっか。ほんまそうやね。」北畑:「これやろか、みたいな。どんどん新しい曲、やっていくのが、今までの曲やる楽しみにも。とにかく、必要なことなんで。」五味:「そうっすね。・・・頑張りましょう。」北畑:「頑張りましょう。」五味:「よろしくお願いします。」

【bacho/LOSTAGEスプリット『HOMETOWN E.P.』インタビュー】3 – Foolish

五味:「歌詞の書き方ってさ。その10何年、20年近くやってるやん?」北畑:「はい。」五味:「その最初期、と何か変わった?」北畑:「あー。」五味:「曲の作り方とかでもいいけど。」北畑:「まあ、ほぼほぼ変わってない、かな。」五味:「同じようにやってる?」北畑:「同じようにやってる・・・まあ、でも、趣味は変わってますよね。その、やり方は一緒なんやけど、どういう価値が書きたくてみたいなんは、変わりましたね。」五味:「何か多分、年齢経て、さ。自分の生活、仕事変わったり、家族が増えたりとか。そういうので多分、劇的じゃないかもしれんけど、行間から滲みでる・・・あるやんか。」北畑:「あります。あります。」五味:「人となりというか。そういうのやっぱ、どんどん変わっていってんのやろなって。まあ、自分の、読み比べてても思うし。昔のと。人のやつとかでも何か、あ、なるほどな。そういう風に大人に・・・大人にっていうか、とっくの昔に大人になってるんですけど。何か、変わっていってるんやろなって。いい年の取り方してないとやっぱ、曲と歌詞よくならないと思うんすよ。それも、キャリアも同じぐらいってのもあって。見てたり、聴いたりして何か。いいなあと思って。ゆってることおっさんくさいすけど。」北畑:「ふふふ。」五味:「何かね、感慨深かったというか。」―うーん。五味:「色々あったんやろなあって。」二人:「はははははははは。」北畑:「やっぱ色々ありますよ。」―ちょうど、五味さんが以前、自分の歌い方と歌詞の作り方が変わってきたっておっしゃってたのを見かけて。五味:「結構ね、昔は歌詞の意味とかより、歌ったときの言葉のインパクトとか、音のアクセントとかを優先してたとゆうか。意味より何か、音の、言葉の音の強さを選んでたんすけど、歌詞書くときに。だんだんやっぱりその、音と一緒に入ってくる意味とか、そん時の感動ていうか。人の耳から入ってきてこう、何て言うんすかね・・・感じるそのハートの中に入っていける、強さみたいなのが言葉の意味を纏ってないと、ちょっと弱いな、と。言葉の音とか強くても。で、何かもうちょっと意味のある、言葉の使い方をしたいなって思うように。どんどん。メンバーが3人になって、から・・・かな。多分そういう風になったんて。昔はもう4人で、めちゃめちゃ音、でかかったらいいやって。大きさで勝負する、みたいな感じやって。」北畑:「ふふふ。」五味:「3人になった時、一回それ無くなって。で、その、3人で出せる音の強さで、聴く人の中にどこまで入っていけるかみたいなんを考えたときに、言葉の意味が弱いと、何か届かへんなってゆうのが結構あったんすよ。で、そっからちょっと、変わりましたね。書き方。ま、単純にこう自分の作ってるもん、もともとあんま自信なかったんで。それにこう自信を持てるようなそれなりのキャリアも積んできて、持てるようになってきたってことかもしれないですけど。」―五味さんが過去にSNSか何かで、『私』と『僕』と『俺』という一人称の使い方で範囲が違うって話をされてたのを見かけたんですけど、今お話しになった心の中に入れるかという話と通じるものがあるのかなって。五味:「そうすね。そんなことも昔は考えてなかったけど、一人称を何て言うか。『私』っていうのと『俺』っていうんやったらやっぱり、その・・・何て言うんすか。こう自分を表現するときの、範囲がやっぱ『私』ってちょっと余所行きというか。相手が介入してくる余裕もあるけど、『俺』って言ったらもっとぎゅっとしてる、真ん中にある、だけになったりするじゃないすか。そういうの使い分けたりとか。言葉の言い回しとかも、昔はそんなに意識してなかったですけど。それってもう、文章書くときとかもそうですけど。例えば、手紙書くときに、仕事で送る時のメールに『俺』って書かないじゃないすか、絶対に。でも、欽也くんに送る手紙やったら、俺、今日何々してみたいなこと書けるじゃないすか。そういうこととかも、何かやってて段々、変わってきたというか。やっぱ、相手がいて、変わるんすよね。その、自分のこと何て言うかとか、自分はどう思ってるかとか。言い方も考え方も。相手が、あるから変わるんであって。ま、自分しかいなかったら、別になんて言っても一緒なんすよ。音楽でも、聴いてくれる人がいるから、その人に聴いてもらう前提で作るから。言い方はどんどん変わってくるんすよ。聴いてくれるお客さん、増えたり減ったり、まあ、年齢層が変わったりとか。今まで、20年近くやってきたら、その都度その都度違いましたけど。やっぱ、そん時そん時聴いてくれる人がいるんで。その人に聴いてもらって、音楽を、同じ音楽を楽しめるように、自分は歌詞を書いたりとか、曲を作ったりとかするっていうのを考えるようになった。ここ10年・・・。昔はもう、自分のことしか考えてなかったっすよ。」二人:「ふふふふふ。(笑)」五味:「(笑) ものすごく雑やったというか。今思えばですけど。そんときはそれでいいと思ってたんですけど。聴かれないと音楽って成立しないじゃないすか。やと、思うんすよ。まあ、そうじゃない人ももちろんいますよ。自分が良ければいいって人もいるし。その、強さもあると思うんすけど。今、僕らがやろうとしてることって、そういうことじゃないから。ただでもその、誰にでも、聴いてもらっていいよ、とか。誰にでも入ってこいよ、みたいな感じでもないんすよ、やっぱり。テレビに流して、お茶の間で、老若男女いいっていう。そういう音楽やりたい訳でもないし。それ自体の良さはありますよ、もちろん。あるけど、じゃ、自分が伝えたい相手の顔ってどんな顔なんやろ、とか。どういう生活してる人なんや、とか。ていうのはやっぱ考えながら、今、作ったり、売ることまで自分でやってるから。余計考えますね。」―歌詞の話が出たので『Foolish』の歌詞についてなんですが、うらはらな感じというか、泣いてるけどちょっと微笑んでみてるみたいな、背中合わせのような歌詞だと思ったんですがどういう感じで作られましたか?五味:「基本何かその、歌詞とか書くときは、白黒はっきりさせないまま終わらせるっていう。僕の好きな映画とかもそうなんすけどね。何かどっちなん?みたいな。どっちか分からんけど、なんとなくハッピーエンドみたいな、とか。まあ、グレーなものが好きなんですよ。好きやし、自分もその、そういう価値観の中で生きてるし。言い切らないまま終わらせるっていうのは、今までずっとやってきたことで。何かこれはこう、こういうもんなんでお願いします、みたいな感じにあんまできないんすよ。自分的に。」二人:(笑)五味:「でも、言い切った方が分かりやすいし、皆が、誰にでも分かるものになり得るというか。そういう感じも分かるんすけど。まあ、ぼんやりさせときたいなっていう。多分、ほとんどの、世の中にあるほとんどのもんがグレーやと思ってるんで。だから、笑いながら泣いてるみたいなっていう、笑ってもないし、泣いてもない間みたいなのを。雰囲気を出せたらいいなっていうのはまあ、多分書いてるとき・・・まあ、結構、ずっとそうなんで。意識はしてないですけど。どっちのあれも置いときたい、みたいな。言い切る強さみたいなのほしいですけどね、たまに。ほしいけど、僕、性格的にやっぱそういう・・・。」北畑:「ふふふふふふ。」五味:「どっちでもええやんみたいな、どっちもあるしなっていう。」―『Foolish』の始まりの部分が、パイプオルガンみたいな教会っぽいイメージがあって、どういう音にしようと思ったんでしょうか?五味:「始まりはね、bachoっぽくしたんすよ。」北畑:「はははは。」―あ、さっきおっしゃってた。五味:「何かこう、ガーンガンって皆でやって、そっから・・・ま、そんな曲があるのかどうかも」北畑:「あはは!」五味:「僕のイメージです。(笑)」北畑:(笑)五味:「bachoのイメージがあるんすよ。bachoの、bachoやったらこうするかもな、みたいな。あん時、スタジオで3人で。あの曲、後半は8ビートずっと続くから。頭だけがまぁ、ゆったら取って付けた感じになってるかもしれないすけど。あれ結構僕ら・・・bachoの曲から流れてくるでしょ。スプリットやから。」北畑:「確かに。」五味:「その流れの橋渡し的な、ブリッジじゃないけど。だから、あそこで変わりたいなと思ってたんすよ、曲順を。曲順、僕、この曲順にしたいなっていうのがあったんすけど。その、bachoの曲から僕らの曲いくときにあっちの曲先あって、というのが何となく頭にあって。こういう流れでっていうのがあって。何か、bachoからLOSTAGEへのイントロダクションみたいな、イメージですね。」北畑:「なるほど。」五味:「勝手に僕が思ってるだけですよ。」―じゃあ、割と『Foolish』はbachoを意識しながらの・・・五味:「そう、最初そうやったんすけど・・・結局でもやっぱ、あんま出なかったすね。」二人:(笑)五味:「全然bachoちゃうな、って(笑)。」北畑:「でも、何でもそうなりますよ。僕らも色々、最初はこういう感じ、っぽいかなーとかゆうて。でも作りよーうちにね、結局自分のあれに。(笑)」五味:「無理やな、やっぱり。そんだけ、20年かけて作り上げてきた相手のオリジナリティ。そんな一日二日で自分のものになるわけないじゃないすか。何となくイメージは、頭の中にあったんすけど。」北畑:「ま、結果、ええのができたらね。全然変わってもいいわけでしょ。」五味:「でもなんか、ちょっと滲んでたらいいかな、ぐらいなんすけど。ほんまに、全然。全く同じようになってなくても。意識は、めっちゃしてたっすね。」―『こぼれ落ちたもの』の方は、そこまで意識されてない?五味:「逆にだから、意識して寄せるとフラットな作品になったと思うし。2曲あるから、どっちかっつったら『Foolish』って曲の方で、bacho・・・結局そこまでなってないけどまあ、bachoを考えながら色々やりつつ、『こぼれ落ちたもの』ってもう1曲の方は、どっちかっていうと自分達の最新の今のモードで。やりたいことだけやる、みたいな方に繋いでいって、出た感じでしたね。あのリズムのパターンとかも。多分bachoとかああいうリズム絶対使わないんで。」北畑:「そうですね。」五味:「パキっとさせるとか。」―うんうん。五味:「そうなんすよ。先にでも、こうbachoっぽい曲みたいなの何曲かメンバーと合わせて、他にも、あったんすけど。何か結構男らしいギターの・・・」二人:「はははは!」北畑:「そんな感じかな・・・(笑)」五味:「イメージでほんまにすすめてるけど。」北畑:「いや、分かります、分かります。」五味:「ここは、3拍子でこう・・・いくかなーとか。」北畑:「あはは(笑)」五味:「何かそう、色々考えてやってましたね。それはそれですごい面白かったし。(笑)」北畑:「あのー、何か、五味さんが一回、今スタジオでちょっと録ってみたけどこんな感じやねん、みたいな感じで送ってきて。」五味:「違うのやってんな。送った曲。」北畑:「うん、でもね、でも・・・あの『こぼれ落ちたもの』のドラムの感じとかは、ああいう感じで。あれ、うわあ、これめっちゃええな、と思って。それこそ、めっちゃええの出来てきてるやんっていう・・・」二人:「はははは(笑)」北畑:「頑張らなっていう(笑)」五味:「それ一応、相手を牽制しようと思って、スタジオのラフ録音送りつけたんすよ。俺らもう、ここまでいってるよっていう。そっちどうなんみたいな。あはは(笑)」北畑:「めっちゃ良かったすよ。」五味:「そのプロセスも見てもらった方がって。」北畑:「でもこればっと録っただけやし、全然変えていくから、これ全然何もできてないけどなーってみたいな感じで・・・。」五味:「あははははは!」北畑:「え、もう、大体いけとーやん、最後まで、みたいな。」五味:「はっはは。」―(笑)北畑:「めっちゃ牽制されてたんすよ。」五味:「面白かったな。」北畑:「で、結構このタイミングでLOSTAGEとのスプリットは自分の中ででかいなって、色んなこと聞きながら思いましたね。次、アルバム作ろうと思ってるんすけど・・・」五味:「うん。」北畑:「なんか、すげー色々、高まりましたね。アルバムへ。」五味:「だから俺、多分次のアルバムでさ、ギターとベースと歌だけんなって、ドラム、タタターンって・・・」二人:「あはははは!」五味:「入れる可能性あるわ(笑)。」二人:(笑)北畑:「あ、でもでもまあ、そういうことやもんな。そっから実際そういう違うものになってたりするねんけど、でも何か曲、またかっこええのいっぱい作ったろかなーって。LOSTAGEのスプリット、録ったときもいっぱい聴いたけど、まあ出て、あらためてずーっと聴きながら、これ多分、かなりいいタイミングやったなーと。後で思うんやろなっていう。いい感じの、音楽面白いなあっていう。LOSTAGEが自分に無いものとか、めちゃくちゃあるから。」五味:「ま、お互いね。」北畑:「それを、何か、目指すっていうか。そういうのも、すごい影響されるし。これから、やるぞ、みたいな。もっといい曲書いたるみたいな。すごい、単純にポジティブに、音楽いくぜっていう。気持ちになりましたね。」五味:「これが目的で・・・もちろん、その出すの目標にしてずっとやってきたけど、ずーっとお互いバンドやってきて、多分これからもずっとやっていくんですよ。多分ね。だから、ま、通過点でもあるから。これが、プラスにね、なって。次、お互い作る何か単独の作品とかに、活きるようなものになってたら、ま、最高ですけどね。」五味:「僕も。でも俺も、ほんまもうアルバム、ちょっと作りたい・・・。夏以降ちょっと、ライブやめようかな。」北畑:「ふはははは!」―(笑)五味:「な、感じになってるから。ほんまに良かったな、と思います。」北畑:「いい、かなりモチベーション上がりましたね。もちろん、全然低かったわけじゃないんすけど、アルバムは絶対出すっていう、次アルバムやーって思ってたけど。その前にこれで、ほんまにいい燃料を注がれたっていう、自分で思うんすわ。ほんまに。」五味:「楽しいね。楽しかったすね、ほんと。すごい作ってて。」北畑:「そうですね。」―聴いてる側も、多分、二つのバンドの次がすごい楽しみになってるんじゃないかなと思います。北畑:「そうですね。」五味:「楽しみにしてくれてた感もあるもんな。見ててもな。」北畑:「いい感じの反応ですよね。嬉しいなあ、と思って。」五味:「買ってくれた人とか最近は、SNSとかに皆書くじゃないですか。感想とかね。どこどこで買ってきた、とか写真上げたりとか。ああいうの、ま、見るんすけど、出たらやっぱり。あー何か、すごい喜んでくれてるなあみたいな感、あるんで。何か今多分、今日もまさに、今買ってくれて聴いてくれてる人もいると思うし。何か、これからライブありますけどね。気持ちがどんどんと、あれしてる感じがする・・・。見てる?エゴサーチとか。」北畑:「してます。してますよ。」ー(笑)五味:「皆やっぱあげてるやん、写真。」北畑:「嬉しい。」五味:「やっぱジャケットのインパクトが。」北畑:「そうっすね。」五味:「あれがばーって並んでるインスタグラムとか見たら、何か気持ちいい。」北畑:「そうすね。」ーあのジャケットは特にコンセプトとかはお願いしなかったんですか?五味:「今回ね、あれですよね。やってもらいたい人いたんすけど、その人がまあ、連絡がつかずというか。その結局、やってもらうのは無理、みたいな感じになったから。その人はお互いのバンドを昔からよく知ってる人で。その人無理なんやったらもう…めちゃ知ってる人か、もう、どっちのバンドも全然知らん人かのどっちかにしようと。中途半端に僕とかがやると、何かバランス…ほんまに対等のフラットな感じでやりたいから。」北畑:「なるほど。」五味:「だから、全然知らん人か知ってる人ってゆうので、知ってる人もう、選択肢なくなったから。全然知らん人で探そうってなったとき、たまたま僕が東京に自分のイラストの展示で行ってたときに、近くの東京のギャラリーで面白い展示がやってるらしいって友達のバンドに聞いて。で、そん時誰にやってもらうかまだ決まってなかったんで。一回じゃあ、ちょうど今やってもらえる人探してるから見に行ってみるってなって、bachoのレーベルcosmicnoteの宇宙さんに声かけて。bachoは姫路に居るんで、東京までこれないじゃないですか。なんで、一緒に見に行きましょうって言って、二人でイラスト見に行ったらその描いてる人いて。何かすごいいい感じの人で、作ってるもんもすごい良かったんすよ。で、ちょっと頼んでみようかってなって。お願いしたら、その場でやってくれるってなって。」北畑:「へえ。」五味:「まあ、その、単純にモノが良かったからですね。あと、宇宙さんと僕が一緒にいけるタイミングが合ったから。だから、今までどっちのバンドとも全く交流とか無かったんすけど。結果的に、すごくいいモノを作ってもらって。」北畑:「いいジャケットですよね。」五味:「うん。めっちゃかっこよかった。」北畑:「五味さんのその思惑も全然知らへんから。ほんまに作品として・・・何ていうん。」五味:「そうそう、独立したっていう。だからあの、文字とかも入れんのやめようっていって。その人の作品が見えるだけに。レコードもそうなんですけど。」―なるほど。五味:「あの人の絵が、一番生きる感じの。並べたときに綺麗な感じにしようって。bacho、LOSTAGEとか入れてもいいんですけど。スプリットやから。でもやっぱそれは、その、作品として見てもらえるように。その人にとってもメリットあるし。僕らは音楽を、ただ同じように作って入ってるっていう。一応曲聴いてもらって、こういうテーマなんですって言って。一林さんから色んなデザイン案の提案があったんや。」北畑:「ああ、あったんですか?」五味:「なんかホームタウンっていう、温かい街のイメージのとか。3つくらいあって。あと、いっぱい人が出てくるみたいなやつとか。何かがっつり二人が戦ってるみたいなのと。で、どうします?ってなって、宇宙さんと現場でその人の作品色々見たから、あの人の作風やったらこれが一番はまるなって。で、こういう感じでやってくださいって言って、やってもらったんすけど。あの、戦ってる感じも。別に僕ら戦ってないですけど、ま、どっかで戦ってるんですよ。で、あのポップな感じで、がっちりやってます感みたいなのは出ててすごいいいなあって。」北畑:「そうすね。結構五味さん、偶然の割には・・・ま、現実にできたものがすべてなんですけど。やっぱこれしかなかったなって。ははははは(笑)」五味:「あはは。はまりが良かった。」北畑:「あはは、そういう感じになってくるんすよね。」五味:「結局、今まで自分が出したアルバムとか、人が作ったものとか見てても、こうなって、こうなって、これが出来たけど、その後皆が見て、こう思って、こう思ってっていう方がやっぱ、何ていうんすか・・・その作品にとっては大事というか。そこまでどうやったかっていうのはもちろん、ありきのもんなんすけど、その出来上がったものが紡いでいくストーリーみたいなんてやっぱ、それぞれにあるんで。ま、何か、今どんどん後付けで良くなっていってる。」北畑:「そうやね。」[SPECIAL INTERVIEW 3:KINYA KITAHATA × TAKAHISA GOMI] ...............................................................................  to be continued【Release】

【bacho/LOSTAGEスプリット『HOMETOWN E.P.』インタビュー】2 – Sad Town

―今回の作品のレコーディングは二組とも岩谷啓士郎さんが録られたということですが、bachoは岩谷さんとのレコーディングは初めてですか?北畑:「はい。初めてです。」五味:「bachoって、決まってるとこあんの?今までのやつって。」北畑:「決まってるところ・・・。もちろん、何作品か録ったとこありますけど。」五味:「色んなとこでやってる?」北畑:「色んなとこでやってますね。試してみながら、みたいなところが。何か、アルバム録るときは試せないじゃないですか。」五味:「あー。」北畑:「長いし。」五味:「あかんかったら、あかんもんな。」北畑:「そうそうそう。だから、シングルとか2曲とかやったら。もちろん、絶対ここで録りたいっていうのがあれば別なんですけど。色んな人・・・誰かがええなとか、ええでって言っとる人とか、ま、啓士さんとかもそうすけど、そういうので録ってみたり。まあ、スプリットやし、同じところで録音しようぜって。」五味:「そう。流れ・・・その空気感も統一したいというか。バラバラの別んとこで録ると、やっぱ音の質感とか変わるじゃないすか。エンジニア変わったりとか。一個の作品にまとめるし、同じ場所でやってる感じ、出せた方がいいなって。で、僕ら奈良にいて、奈良のエンジニアにやってもらってるから、ちょっと遠いけど姫路から来てもらえんか?って感じで、一緒のとこで。ほんまは同じ日に全部録れたら、みたいな感じやったんすけど。結局2曲ずつのボリュームなんで、一日は厳しいなって感じになって、日は分けたんすけど。お互いその・・・あ、欽也くんは来てくれたんか。俺らのとき。」北畑:「あ、行きました。行きました。」五味:「レコーディングのとき来てくれて。で、bachoやってるとき、僕ちょっと自分の弾き語りか何かで東京かどこか行ってて。早く帰ってきて見にいこうと思ってたんすけど、ちょっと遅れてもうて。で、bachoが思ったより早く終わって。」北畑:「ふふふふふふ。」五味:「皆仕事やってんな。」 北畑:「そうすね。」―そうなんですね。五味:「で、帰ってくるときに連絡あって。ちょっとコーラス思いついたから、ここに入れといてください、僕らは帰りますけどって・・・」二人:「あははははは!」五味:「はは(笑)」 北畑:「あれひどかったすよね、なんか言い方(笑)。この頼み方、やってええかなーって。そりゃ、おるまで俺が待っとって・・・五味さんが来るって言ってたんで。」五味:「で、僕もちょっと遅れてたから・・・ちょ、急いで帰るわって。」北畑:「待っとって、ここでこんな感じで入れてくださいって、自分でお願いすんのが筋なんすけど。」五味:「ははは。」北畑:「ちょっと、帰らなあかんからって。」 五味:「ほんまに入れ違いみたいな感じで。で、僕スタジオ入ったらもう、仕事あったから皆帰ってたんすけど、そのエンジニアのやつが残ってくれてて。」北畑:「歌詞だけ。歌詞だけメモっていって。」 五味:「メモだけ置いてあって。」北畑:「あはははは!そう、メモだけ。」五味:「それ、手書きやってんな。」北畑:「そう(笑)」五味:「あ、そうそうそう!あれ見て、あの手書きの感じがいいって。」―あ! 北畑:「あ、ほんますか。」五味:「そうそう、あの歌詞がばーっとこう綺麗な感じで書いてあって。これを歌ってくれって手紙みたいな感じで置いてあったんすよ。で、それ見て歌ったんすけど。」北畑:「ははははは。」五味:「そんときに、あ、手紙みたいでいいなって。」北畑:「まさに、置き手紙でしたよ。普通に、置き手紙すよね。これ今日お願いしますって。」二人:(笑)北畑:「はっはっは。」五味:「で、そこで聴いて。ま、難しいコーラスっていうよりは一緒に歌うみたいな。あの、bachoのライブでお客さん一緒に歌ったりしてるじゃないすか。ああ、あの感じか、と思って。で、欽也くんも歌ってるから。えっと、あれは『Sad Town』?」北畑:「はい。」五味:「『Sad Town』のあの後半の、ちょっと静かになったところで入ってくるんすけど。ま、ああいうのも、スプリットの醍醐味っすよね。そうや、あれ見て。」北畑:「良かったです(笑)。」―二組とも一日で録り終えたんですか?北畑:「や、二日ずつ・・・。」五味:「二日ずつかな。」―LOSTAGEが先でbachoが後にレコーディングされたとお聞きしましたが、相手の演奏を見た後にレコーディングするのはやりやすかったですか?やりにくかったですか?北畑:「ま、やりやすいかやりにくいかではないですけど・・・焦りましたね。」―焦りました?(笑)五味:「あんときまだ、歌詞が全部できてなかった。」北畑:「曲もぎりぎりまだ、詰まってなかったとこもあったんで・・・。五味さんも、結構なんか・・・ずっと前からね、スプリット出す前から曲づくりどうすか?って。いや、まだ何も作ってないでって。」五味:「(笑) お互い探り合いながら・・・」北畑:「まだなんも、全然・・・形しか。なんかちょっと、こっからまた変えてくし、骨組みしか出来てないって五味さんも言ってて。」五味:「はははは。」北畑:「どんなんか、録音んとき初めて聴いたから。めっちゃ、めっちゃ完成度高いし、できてるやん!完璧やなーと思って。」五味:「あはははは!」―(笑)北畑:「やばいやばい俺。早く帰ってスタジオにって。」 五味:「あるやん、中学生んときとかさ、期末テストの前さ、お前勉強してきた?とか言いながら、周りのやつ。」北畑:「あ、テストんとき?」五味:「俺全然してないとか言ってたやつが、めっちゃほとんど満点みたいな点数とってるときってあるじゃないですか。」北畑:「はははは。」五味:「あのノリです。」二人:(笑)五味:「めっちゃやってても、そんなやってないってゆうっていう。(笑)卑怯な。卑怯な感じの。」北畑:「ふふふふふ。」 五味:「あのノリでいきました。(笑)」ー(笑) じゃあ、スタジオで録りながら完成した部分もあるんですか?北畑:「結構僕はそう・・・歌詞はそういうの多いですね。」五味:「確認しながら?」北畑:「はい。」五味:「すごいね!でもあれ、確認しながらあの感じ出てるって。」北畑:「いや、でも・・・普通に前もってやっときゃいいんですよ・・・。」五味:「ふははは。」―あれをその場で書かれてるんですか?北畑:「いや、大体はあるんですけど。大体は。何て言うんですかねー・・・」五味:「はまり具合とか?」北畑:「自分の歌詞の書き方は何かこう、大体いつもあるんすけど、全体的にこう、清書する・・・録音するのって、清書するのと一緒だと思ってるから。これで決定するってときには、結構時間かかるっすね。意味ない・・・意味ないっつうか、何か絶対必要なこと以外、言いたくない。僕はあんま言いたくないから。ま、自分の中でね。それを上手いこと、自分の辻褄合わすのが最後になっちゃって。まあ、ちょっと考えてきたこと変えようみたいな。録る前に歌いながらね。本番にやっちゃいますね。」―大枠は出来た状態ということですか?北畑:「そうすね、こういうことを歌うかっていうのは決まってるんすけど。」―言葉選びはその場で?北畑:「言葉選びと、フレーズごとに色々あるじゃないすか。ここはどういうことをどういう風に言えばいいか、は考えてるんですけど、結局ちゃうかなーって思ったら、ま、思っちゃうんで。最後は結構ね。」五味:「歌詞いいよな。」北畑:「ありがとうございます!」ーすごくいい歌詞ですよね。お二人とも読書家なんでしょうか?歌詞を見たときに、もうそれだけで作品として成り立つような歌詞だなと思ってて。五味:「本めっちゃ読むんですよ、とか言いたいですけどね。」―(笑)五味:「別に普通やと思いますよ(笑)。」北畑:「俺もそうです。昔はよく読んでたんですけどね。」五味:「本。めっちゃ読んでる人にくらべたら読んでない。」北畑:「でも、そういう影響ってあるんすかね?あんま自分では意識せえへんけど。」五味:「本とか?ま、何か、単語のボキャブラリーとか増えると。」北畑:「ああ、自然に・・・。」五味:「言い回しとか。」北畑:「自然に、自分の中に貯められていくんかな。」五味:「でもやっぱね、欽也くんの歌詞とか見てたらもう。まあ、自分の書き方が全然違うし、俺、こういう風には書けへんなあとか、あるから。自分にできないことやってる人ってすごいなと思うじゃないすか。」北畑:「それはお互いに多分、俺も五味さんの歌詞見たら、思うし。まあ、ちょっと今回のやつで。今度アルバム出すときは一回こういう風に、五味さんみたいな感じで書いてみようかなって(笑)。」五味:「わはははは。」―(笑)北畑:「みたいな(笑)。そんななんか、思いつきもありつつ。」五味:「bachoってでも結構お客さんとかもさ、歌詞にこう、何ていうの?ほんま音とかももう、込みやと思うけど。歌詞、一緒に歌ってんのとか見てたらやっぱ、歌詞の・・・その牽引力ていうか。人のね、心の中に入ってく歌詞の強さみたいなのすごいあるな、て思いますね。ライブ見ててもそうやし。一緒に作ったスプリットの歌詞とかも。まあ、じっくりそんな歌詞読むことってあんまないんで、普段、人のバンドのやつって。聴きながらね、ちょっとたまにちらっと見たりとかぐらいで。あれやっぱね。bachoのbachoたる所以というか。一番こうbacho感が、歌詞と一緒になったときの。なんていうんかな・・・エネルギーの大きさっていうか、あれはね、もうbachoにしか無いなっていう。」―シンプルなのに残る、まっすぐで、でも単調ではない綺麗な歌詞ですよね。北畑:「ありがとうございます。あんまりでもね、ずっと音源出すたびに僕は言ってるんですけど、歌詞はまあ、歌詞聴いてくれって感じではなくて。まあ、何て言うんすかね・・・バンドの音楽聴いてくれって。全体の一要素として、自分の中のこれぐらいはきっちりやろうっていう、自分の中の決め事がある。歌詞に関してはね。ま、それを何かこう、皆楽しんでくれたらそれでええし。でもその、歌詞読んでほしいな、みたいな。絶対読んでくれ!みたいなんは・・・」五味:「はっはっは。」北畑:「ま、読んでも楽しければええなっていう。うん。何か。ま、皆ゆってくれるのは嬉しいっす。」五味:「言われるやろ?でも。」北畑:「言われます。言われます。」五味:「あの一緒になったときの、バーンてくる感じがやっぱな。で、メンバーも多分分かってるから、ちょっと演奏抑えてさ。歌詞が、歌がこう、ばーって上がってきて、みたいな。で、その後、高永くんのドラムが入ってきて、ドン!みたいな、感じで。やっぱ皆分かってんすよ、メンバーも。だから、欽也くんが思ってるより、歌詞を聴かせようとメンバーがしてるんすよ。ていうのが、演奏聴いても伝わってくる。」北畑:「はっはっはっはっは。多分そこまで考えてない(笑)。」五味:「ここでこうなるよなぁっていう。うん。俺はそう。聴いてて、めっちゃ思ってて。」北畑:「でも、昨日五味さんのTwitter見てたんすけど、『No Memories』のドラムのあっこがいい、みたいなの書いてたじゃないですか。」五味:「あの、歌のアクセントに合わせてさ、入ってくるやん。」北畑:「あれね、あれほんまに作ってるときに、まあ、ずっとドラムなくてもいいところじゃないですか。」五味:「ああ。」北畑:「なくてもええとこなんやけど・・・」五味:「リズム一回なくなってな。」北畑:「そう。そっからまた始まるわけでも、もう一回またなくなるから。」五味:「そう、そっから始まらへん。あれだけ入ってる。」北畑:「そうそう。それで、でもここに何か入れて欲しいんやけど、ここがこの歌の肝やねん、みたいな。」五味:「あ、そうなん?」―へー!北畑:「話を。」 五味:「してたん?」北畑:「で、結構ずれたりするんすよ。あれ。バーって演奏も鳴ってて、高永くんも何も叩いてない状態から入ってくるから。で、ここもうずれたらほんまなあ、あかんから。ちょっとこう、ここが肝かなあって、言っとったら、昨日ちょうど高永くんとおるときに、高永くんが、五味さんがこんなこと言っとうでって。さすが五味さんよう分かっとんなあって・・・。ふははは!」五味:「あはは。」―(笑)五味:「あれむっちゃ、あっこで、ほんまに何ていうの・・・そこまでの歌と曲の流れが、ダムが決壊するみたいなその合図みたいな。」北畑:「ははははははは!」五味:「もう何かなー、俺あそこ聴いたらもう、毎回もう、ばーってなる・・・(笑)。」北畑:「(笑) で、結構ほんまビックリした。高永くんもほんまに。二人で。」五味:「むちゃくちゃあそこがいい。好き。ポイントというか。」北畑:「いやあ、せや、あっこが肝や、ゆってたな。良かった、つって。」五味:「多分、買ってくれた人やと思うけど、めっちゃ‟いいね“されとったもんな。」全員:「あはははは。」五味:「おう、分かる分かるみたいな。・・・すごいいいよな。」―個人的に『No Memories』で北畑さんが‟思い出はいらないと・・・”と歌い出すとこあたりで、ギターがずっとそのフレーズを歌ってるように聴こえて、そこがすごく好きです。北畑:「ああ、そうすか?(笑) ありがとうございます。」五味:「ギターもいいよな。」北畑:「偶然・・・偶然やと思うんですけど。でも、まあその、嬉しいっすね。」五味:「何かこう、ビビビってなるやん?テテテテテテって。あれもこう、なんてゆうの?ぐわーってこう、何ていうかな、こじ開けてくるというか。ほんまもう、『No Memories』。別にどっちの曲がとかじゃないすけど、あれはもう、なんかね・・・イイですよね。」二人:「ふふふふ(笑)」五味:「いいですよね、しか言われへん(笑) ほんま。」―でも『Sad Town』もすごく好きです。北畑:「ありがとうございます。」―最初と最後の歌詞が結構似てる歌詞を持ってこられてるけど、曲の展開が最後変わってるから、同じ景色なのに最後には違う景色を見てる感じがして。北畑:「ありがとうございます。あの『Sad Town』はほんまに、まさにスプリット入れるから、まあ自分・・・bacho、俺らにとったら姫路とか。LOSTAGEにとったら奈良とか。そういう街で歌っとう感じ、結構意識して作ったんで。何か俺も気に入ってますけど。」―‟駐車場“の部分とかが、自分もそういう風景を思い出しやすいというか、情景が浮かぶ歌詞ですよね。五味:「あれ、何か田舎のね。多分、東京の駐車場ってちっちゃいじゃないですか。」二人:「はははは。」五味:「でも、僕らが住んでる奈良なんかだと、店より駐車場がでかいってよくあるじゃないですか。」二人:(笑)五味:「ああいう、こう無駄に広い駐車場とか。ま、路地のそういう田舎の、風景みたいのが、こう、重なって見える感じ、がやっぱローカルの。あれなんかね、僕もいいなと思いながら聴いてて。」北畑:「そういうのって、絶対五味さんも俺も・・・例えばそう、街歩いて。いっつも一緒やし、何もないなと思うけど。」五味:「はははは。」北畑:「何かちょっとそういう時に、何かええなって、どっかでは思ってるんすよ。」五味:「あ、思ってるかもしれん。それは。」北畑:「で、それは、その時に自分の頭ん中でつくる何かの要素って。まあ音楽・・・俺らにとっては音楽になるんすけど。すごい、何かな、何ていうんやろ?自分で、自分はこれはこれでええって、気持ちよくなるんすよね、割と。その歩いてるときに。何か多分、五味さんもそうやろ?っていう・・・。ははははは。」五味:「そう。」北畑:「何か、歩いてるときとかにね、街、何もないけど。その、最初の歌詞とかまさにそんな、意味もなく風を切って。俺何かいけてんな、これ、みたいな。」五味:「あるな。」―(笑)北畑:「音楽と、何か、周りは別に何にもない。何にもないけど、なんの変哲もないところ歩きながら、こう、でもこうこの歌・・・自分が例えば作った曲、作りかけの曲とか聴いたときに、これめっちゃええなみたいな。」五味:「ああ。わかる。わかる。」北畑:「何か、あるじゃないすか?」五味:「そん時な。ウォークマンとかヘッドフォンとかで聴いて・・・」北畑:「そうそうそう。それで・・・」五味:「世界で一番自分がかっこいいみたいになるもんな。」北畑:「そうそうそう。」五味:(笑)北畑:「(笑) だから、そういう。そういう可笑しな、可笑しな気持ちみたいなのを、考えながら作って。」五味:「で、bachoってその、僕らもそうなんすけど、ローカルじゃないすか。地方のバンドで。で、地方のバンドって、その東京っていう真ん中があって、それ以外みたいな。こう、何ていうんすか、区切りやと思うんすけど。その地方に居ることが、あまりネガティブに見えないというか。地方って結構、真ん中から離れてるから。なんかこう、ちょっとマイナスなイメージとかあったりするんですよね、多分。ま、音楽業界的にも、やっぱり上京するみたいなんが、未だにあるし。やけど何か、その地方でやってること自体が、そんなネガティブに聞こえないバンドってなかなか珍しいというか。で、自分もそこ目指してるし。それがやっぱね、このスプリット出した、一緒にやりたいなと思った、一番大きい理由というか。何かね、地方にいることに自信があるというか。誇りを持ってやってるなって感じが、結構前から。ま、どんどんその気持ちは強くなっていってると思うんすけど。うん、だから、その‟駐車場“にも、こう別にネガティブな印象とか全然なくて。いきって歩いてる欽也くんとか想像しながら、ああ、なるほどなあって。」二人:(笑)北畑:「いきって・・・まあ、そらいきって、それは寂しい感じを感じていきっちゃう、みたいな。何かあるんすよ、そんな。あーでも、それ一人でいきっとっても、何かあれやから。なんかこう音楽、作って・・・いきたいなって。そういうのに、普通にわくわくするし、自分で。またこれで、新しい歌作っていこう、こっから。みたいなんが、普通に何か、ほんまにネガティブな気持ちまったくないっていうか。ワクワクする、いつも。嬉しい。嬉しいっておかしいけど。結構プラスっすね。うん。」―『Sad Town』の途中の‟君でも僕でも~”の辺りから音がすごく広がって、‟時空すら超える“って歌詞とリンクしてる気がしたんですけど、その音を想像しながら歌詞を書いてるんですか?北畑:「いや、多分、あんま考えてないと思う。」―偶然?北畑:「偶然・・・いや、偶然でもないんすけど。あんま狙ってこうしようみたいなものは、そこまであんまり・・・なんとなーく、こういうこととか、そやったら、こういうことか、とかみたいな。ま、・・・まったくの偶然ではないんでしょうけど。」―すごい計画して作ってるのかなと思ってたんですけど・・・。北畑:「いや、全然。無計画です。」―(笑)北畑:「やばいすよ。無計画さ。」五味:「そんな、めちゃめちゃ考えてるやつおんの?」北畑:「どうなんすかね?構成を。」五味:「狙ってる・・・ま、人によるか。」北畑:「どうなんすかね。」五味:「皆がどうやって歌詞書いてるか、わかんないすよ。」―あまり話さないものなんですね、そういうの。五味:「歌詞の書き方とかはな。その人にしか分からへん。難しいですよね。」北畑:「誰かに聞いたこともないな。うん。」―特に聞く必要も・・・北畑:「必要ていうか・・・ま、どうしようもないですからね。あはははは。」五味:「面白いすね。」北畑:「面白いすね。何か、音楽。」北畑:「なんか、LOSTAGEの新曲っていう、録音された2曲を聴くのと、自分達とのスプリットの2曲聴くの、またちょっと、深入り度が違う。」―レコーディングのときは、先に岩谷さんに音源とか歌詞を渡したりとかは特にしないものなんですか?北畑:「俺らはしてない。してない。」五味:「僕らは結構、もうアルバム何枚か一緒に作ってるんで、大体もう、分かるやろ?みたいな。」二人:「あはははは。」五味:「何か、全然分からんでもいいんすけど、年も近いし、まあ何か分かる感じなんやろうなと思うんすよ。ま、メンバーみたいな感じっすね。PAもやってもらってるし。僕らが出したい音とか、聴かせたい音とか。が、何となく分かってくれてるやろうって。ま、実際その作ったもの今まで聴いてきて、全然間違った音やったとかそういうことなかったし。信頼してやってるんで。そういう人に、bachoやってもらったらどうなるかなみたいな、僕なりには、その何ていうんすか、楽しみでもあったというか。あ、bachoを録るとこういう音になるのかって。そういうのも、僕見てて、傍から見てて面白かったっすよ。」―bachoの音楽のイメージとして、力強く刺さるような印象があったんですけど、今回は優しさもすごくあって、柔らかくて響く印象を受けました。北畑:「言われるほど、俺の中ではそんな力強く・・・ま、曲の中ではそういう風に歌うところもあるんですけど、どっちかっつったらなんか、いつも弱気な感じですけどね。あははははは(笑)。僕はね、僕は。個人的には。いや、性格的にはね。ま、最後で強く歌うか、ぐらい決めて。こういう風に歌わなあかんなって。歌いたいって。まあ、願望。」―黙って側にいてくれる感じというか。北畑:「あはははは。そうすか(笑) まあ、今回結構、イメージがはっきり、これ、この歌、というのがあったんで。そういうのもあって、皆に伝わりやすいかもしれないですね。」[SPECIAL INTERVIEW 2:KINYA KITAHATA × TAKAHISA GOMI] ...........................................................................  to be continued【Release】