【PETAL・インタビュー】 シークレット・オブ・ハー・ミュージック

『Magic Gone』リリース・インタビュー


ー Petalというプロジェクトについて教えてください。

Petalは色んな人が関わるプロジェクトなの。でも、それは常に私のプロジェクト。私はフルバンド用の音楽を書くのが好きなのよ。でも、根源的には私だけなの。


ー いつから曲を作り始めましたか?なぜ音楽を始めたのでしょうか?

私は音楽に囲まれて育ったの。私の母は公立学校の音楽の教師で、私が行ってた教会の聖歌隊の指揮者と私の父がすごく音楽好きだったの。私は四六時中歌って、ギターやピアノを弾くふりをしたりして。5歳になった頃にクラシックピアノを習い始めて、声楽も勉強したのよ。私が初めて曲を書いたのは10歳の時で、常にロックミュージックやアメリカのロックの歴史のことで頭の中がいっぱいだった。私はいつも自分が好きなソングライターについてよく知りたいと思ってて、聖歌隊で歌うことや曲を書くことからたくさん喜びを感じてたの。


前作『Shame』から、音楽やMVともに息遣いのようなものを感じる生の温度を大切にしておられるように感じました。今作の『Magic Gone』では、MVも曲のアレンジもより完成された作品として作られているように思えます。前作と今作との違いを意識して作られた部分はありますか?

ありがとう!私は『Magic Gone』はライブレコーディングに対してより本物に近づけたいと思って。可能なかぎり、一番リアルで感情的に響くテイクを録りたくて、スタジオで全てのテイクを通しでレコーディングしたの。それに、私がドラム以外の楽器を全部演奏したのよ。それが特にチャレンジしたこと。歌詞とパフォーマンスに焦点を当てたものにしたくて、その録音はすごく鮮明で真っ直ぐなものになったと思う。前のアルバムでは歌うことが本当に恐かったけど、『Magic Gone』ではもっと自信がついた気がするの。


ー シンプルでまっすぐな音と、人の心を揺り動かすボーカルがPetalの音楽の魅力だと思いますが、レコーディングはどのように行われましたか?また、レコーディングでの印象的な経験があれば教えてください。

一旦ボーカルを最初から最後まで通してレコーディングすることで、本当のライブ感を出したレコーディングが出来たと思う。私にとって、裏側にある意味や言葉がボーカルパフォーマンスを形作っていくことはとても重要なことだったの。日によって、曲を最後まで歌うことがとてもつらかったことがあった。とても苦しくて。だからといって、私は歌うことが簡単である様に聴こえてほしいとも思わなかった。歌うことは自分の経験を表現することだから。私はスタジオに早く入って、ウォームアップしてMitskiの『Puberty 2』やSolangeの『A Seat at the Table』、Paramoreの『After Laughter』を通して歌って、歌うことが楽しくなるように自分の声を整えていったの。


ー あなたの音楽には、一旦その音楽に浸かってしまうと抜け出せなくなるような、世界観に深く引きずられる抗えない魅力があります。どのようなサウンドや世界観を目指して曲を作られていますか?

私は色んな音やスタイルに対して心を開くようにしているの。まず一番に、メロディと言葉に重点を置いて。私は、はっきりしたドラムの音と暖かみのあるボーカルが好き。私の声は元から高音域だから、そのことに気を付けないといけなくて。大体、私は最初から最後まで聴かせるようなアルバムを作りたいと思っていて、本を読んでいるような、物語を聞いているようなアルバムを作りたいと思っているの。


ー 今作ではWill Yipをプロデューサーに迎えていますが、どうして彼と一緒にやろうと思ったのでしょうか?

Willは間違いなく一番才能があって、思いやりがあって、熱意があるミュージシャンで、並外れたプロデューサーの一人よ。彼はいい友達なだけではなくて、クリエイティブな面で強力なサポートをしてくれて、新しいことへのチャレンジもたくさん後押ししてくれる人。彼みたいなマイクのセッティングの仕方をする人は誰もいないわ。それに彼は本当に幅広い音楽の才能を持っていて、彼の耳は研ぎ澄まされているから、どんなジャンルでも曲の可能性を最大限に引き出してくれるの。プロデューサーでは彼が一番よ。


ー 『Magic Gone』には胸が苦しくような美しさがあります。表題曲を始め、今作『Magic Gone』にはストーリーを感じましたが、制作に対するこだわりはありますか?

このレコードは、メンタルヘルスや同性愛、そして愛することについてのレコードなの。A面とB面は両方とも、自分の人生でとても辛い時期の異なる側面を表したもの。A面は怯えていて危険な状態だった時。B面は傷つきやすいけれど強くなった時。私は曲自身がそれぞれそのままでも成り立つように、でも一方でアルバムとしてまとまりのある作品にしたかった。このレコードは「完璧であろうとすること」という考えを手放すことについて、そして変化や恐れを受け入れることについての作品なのよ。


ー あなたの歌詞には、心の奥底をかき乱すような切なさと悲しさ、美しさがあって、そこには、手に触れられそうなほどの生々しさと、夢の中にいるような儚さも感じます。歌詞を書くときはどういう点を意識して書いていますか?

私は、歌詞は途切れ途切れに書いているの。ぱっと思いつくから、できるだけ早くそれを書き留めなきゃいけなくて。自分が書いていることを決めつけすぎないようにして、思い描いた空想が広がっていくようにしてる。大体は具体的に書くようにしているのよ。


ー 今回のレコードでは、A面とB面は少し対照的な作りになっているように感じました。どうしてこういう構成にされたのでしょうか。曲順にはこだわりがありますか?

曲順は経験したことのステージを表したものにしたかったの。音質的には、嘆きと受容の段階と、治療を受けてカムアウトした前と後とで揺れ動く自分の心の状態を表してるの。


ー A面「Tightrope Walker」と、B面「Miracle Clinger」のそれぞれに込められた意味を教えてください。

A面は“まとも”な誰かとして存在するために、自分の心の健康を危険にさらしていることについて歌っていてるの。綱渡りをする人のように、それをするためにはたくさん練習が必要で、上手く渡りきれたときには本当に感動的なものになる。それが本当はどんなに危険なことなのかも忘れてしまうくらいに。


「Miracle Clinger」はどれだけたくさんの痛みを感じているかにも関わらず、いらいらするほどの楽観的な考え方を持つということについての作品なの。よくなるとは確信できていないのに、きっと上手くいくと思わずにはいられない、というような。


ー アルバムタイトル『Magic Gone』に込められた意味を教えてください。

手放すということは弱くなっていくと感じることでもあるけど、成長する絶好の機会を開くことでもあるという気持ちを込めたの。


ー 昨年は、今年日本にも来日したJulien Bakerと一緒にツアーを回っていたそうですね。彼女とのツアーはいかがでしたか。そこから学んだことがあれば教えてください。また、最近他のアーティストからインスピレーションを受けた経験があれば教えてください。

Julienは本当にすばらしい人。彼女はおもしろくて、優しくて、思いやりがあって、計り知れない才能がある。彼女とツアーするのは最高だったわ。彼女は私に曲を書くことに勇気を持たせてくれて、彼女のおかげで演奏をするときに自分自身を信じることができた。彼女から私はよりよい人間であるようにインスピレーションを受けたし、自分を出させてくれた。他にも、Kevin Devine, Slingshot Dakota, Tigers Jaw, cave people, Cherry, Manchester Orchestra, Death Cab For Cutieが大好き。


ー Petalの音楽の基礎となったアーティストや音楽があれば教えてください。

私はQueen, Fiona Apple, Regina Spektor, Mitski, Death Cab for Cutie, David Bazan, Nina Simone, Janis Joplin, Talking Headsにとても影響を受けているわ。今挙げたアーティストは皆、心を奪われるような魅力があって、曲の中にある物語は比類がない素晴らしさなの。それに、皆独特な声を持っていて、そのことが自分の声の自然さを受け入れたいと思わせてくれたの。


ー 今作をどんな風に聴いてほしいですか?

隅々まで心を開いて聴いてほしい!


ー 日本でいつかあなたの演奏を見られるのを楽しみにしています。日本のファンへのメッセージをお願いします。

皆に会えるのを楽しみにしてるし、応援してくれて本当に感謝してる!聴いてくれてありがとう。皆のために演奏できる日が待ちきれないな<3




---------- Answer from Kiley Lotz




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心を震わせる音とは?と聞かれたならば、

迷わず答えるだろう。「Petalの歌声だ」と。


それぐらい、彼女の歌声には類を見ない素晴らしさがある。


Petalはアメリカのペンシルバニア出身のKiley Lotzが中心となるプロジェクト。

前作『Shame』が出された当時は、比較的電子的な音が使われた作品が多くリリースされていて、作品を聴いたときに、息づかいすら聞こえそうな人間の温度を感じられたことがとても印象的だった。


あれから約3年の月日を経て、出されたセカンドアルバム『Magic Gone』。

表題曲「Magic Gone」のイントロダクションの美しさ。透明感。リアルな感触に心を奪われた。

「可能な限りリアルで、感情的なテイクが録りたかった」と語られる通り、直接その音に触れられそうな錯覚さえ覚えるリアルさと、痛切なまでの切なさを感じる作品。


彼女の乗り越えてきたものが余すことなく表現されており、彼女の音楽を聴いたときに感じる胸の痛みも、悲しさも、美しさもこのためか、と、音楽ひとつで経験したこと全てを体現する彼女の才能に改めて感嘆する。


彼女の作品はなぜこれほどまでに人の心を揺り動かすのか。ずっと知りたかった。

彼女の作る音楽の秘密を、少し垣間見られた気がした。



【Release】

『Magic Gone』

 Now on Sale


【CD】ボーナストラック付き

レーベル: FLAKE SOUNDS

価格:2,160円

■■■収録曲■■■

1. Better Than You

2. Tightrope

3. I'm Sorry

4. Comfort

5. Shy

6. Magic Gone

7. Shine

8. Carve

9. Something From Me

10. Stardust

11. Silver Springs (bonus track)

12. 15 (bonus track)

http://www.flakerecords.com



【LP】

レーベル: RUN FOR COVER (USA)

■■■収録曲■■■

[Side A]

1. Better Than You

2. Tightrope

3. I'm Sorry

4. Comfort

5. Shy

[Side B]

6. Magic Gone

7. Shine

8. Carve

9. Something From Me

10. Stardust

http://www.runforcoverrecords.com/



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