【The Firewood Project インタビュー】夢を、求めるということ。

Ratboys来日公演&The Firewood Project・12inchアナログ『Causes』リリースツアー特集①

質問1 : バンドを結成した経緯とバンド名の由来を教えてください。また、今年の7月、これまでサポートギターを務められていた渡辺一矢さんが正式に新メンバーとして加入されましたが、今のThe Firewood Projectはどういう状態だと感じていますか?


平林 : 2016年に岸野と山﨑と自分の3人で、音楽性もバンドのスタンスも、お互いの共通の好みやルーツに則したやり方で出来たら良いよね…と言った感じの話しをしたのがきっかけです。バンド名は字面と響きを第一に、あとは、熱源、火種的なものをキーワードにしたくてこの名前にしました。

このたびアルバムのツアーを終えて渡辺が正式に加入したことで、曲作りやライブ等、今後の展開がどうなっていくのか自分としてもとても楽しみです。


岸野:山﨑と僕がHUSKING BEEを脱退することが決まる前後だったかな? カズさん (平林) が、自分がメインで歌い、作詞作曲するバンドをやりたいって事だったのでそのまま一緒にやる事になりました。ハスキンで三人は四年くらい一緒にやってたんで曲作りが最初難航した以外の事はスムーズでしたね笑。

一矢くんに最初のサポートを頼んで一緒に音出してから半年くらい経ちますが、今では二人で僕のよく行くカレー屋に行くくらい良好な関係です笑 。元々付き合いあったんで普通ですけど笑。とてもナイスガイだし仕事でギターの修理などをやってるのでサウンド面にも気を配ってくれるし、会うと機材の話ばかりしてますね。まだレコーディングや曲作りには参加してないんで今後ライブ以外の活動もとても楽しみです。



質問2 : 全員、他のバンドに所属しながらThe Firewood Projectで活動されていますね。以前のインタビューの中で、岸野さんには、“The Firewood Projectはアグレッシブに活動できる有り難い存在であり、平林さんの才能をより良い形で世に出し続けたい”とお答えいただきました。他の3人の皆さんにとってThe Firewood Projectの活動は、どのような意味を持っていますか?


平林 : 楽しむこと。あとは月並みですが、楽曲についても活動についても、納得出来ることを納得出来るやり方で形に出来る場であれば良いなと思います。


山﨑 : このバンドはカズさんが作ったカズさんが歌う曲を演奏するバンドだと僕は思っていて、カズさんの作る曲が僕も本当に大好きだし、それを良い形で楽曲に仕上げられるように頑張りたいって言う気持ちは僕も強くあります。あとはともかくライブだとかこのバンドをやっている中での様々な場所での時間を精一杯楽しみたいって感じです。


渡辺 : このバンドの活動に関わるようになって、日々の生活で触れる音楽や人、環境がかなり多彩になりました。それは自分にとってとても意味があるように感じます。ジャンル的にも離れているバンドを別でやっているので、出会う人や観れる景色が全く違って楽しいですし、両バンドの活動で違ったジャンルやシーンに興味を持ってもらえたら素直に嬉しいです。


質問3 : 『Causes』の全編を通して流れるギターの煌めきには水面に映る波紋のような綺麗さがあって、ふっと吸い込まれそうな心地になる瞬間があります。この作品全体を通してのテーマやコンセプトなどがあれば教えてください。


平林 : アルバム全体を通してのテーマみたいなものは特に決めませんでした。曲ごとの音像や雰囲気、内容等を通して、それぞれのカラーが層を成した際にそれぞれがより際立てば良いなと。


質問4 : アルバムタイトル『Causes』に込められた意味を教えてください。


平林 : 一曲一曲が全く別々のテーマやストーリーを持っていますが、その一つ一つが不可欠な動機や要因として構成されているものなので。字の並びも良い単語だし、そのまま "Causes" にしました。


質問5 : 前作EPには溢れ出す疾走感のようなものを感じましたが、今作は音がより円熟し、海外の温度をそのまま持ってきたような雰囲気のある作品だと思いました。また、前作EPと今作の両方に収録されている「Behind The Door」の音もそれぞれ少し違うように思います。繊細さが加わり、装飾が削ぎ落されたように感じました。前作と今作とで、レコーディングの仕方に変化はありましたか?


平林 : RECは前作のEPよりかなり良い環境でやらせてもらいました。具体的には、ドラムは以前よりずっと広いスタジオで録れたり、ギターや歌についても、フレーズ作り音作り含めて僅かながらも余裕を持って録れる行程で(スケジュールの都合上たまたまではありましたが)やらせてもらえたので非常に助かりました。

サウンドに関しては、前回同様シンプル且つ力強く…みたいな方向性で臨みましたが、そこに奥行きや空気感等のプラスアルファも多分に加わっていると思います。エンジニアの林くんも好みの音楽がかなり共通していることもあり、音作りからミックスまで色々と話しが早かったです。


質問6 : 今回、マスタリングをFugaziの最初期のデモ音源を収録したアルバム『First Demo』や、そのFugaziのリズム隊だったJoe Lally とBrendan CantyのバンドThe Messthetics 『The Messthetics』のマスタリングを手掛けたAlohaのT.J.Lippleに依頼されていますが、どういう経緯でそうなったのでしょうか?


平林:岸野の提案で前回EPのマスタリングもお願いしたのですが、やはり仕上がりも人柄も素晴らしかったので。その流れで今回もお願いしました。


岸野:がっかりすると思いますが、正直Fugazi関連の仕事をしてるのは全然知らなくて。エンジニア林とTJの組み合わせは僕が別でやってるmalegoatの時にやって凄く良かったのでEP、アルバム共にお願いしました。自分で良さを体感してたのが選んだポイントです。因みにmalegoatの時に彼をチョイスしたのはstiff slackの新川さんです。USの空気すごく出るし、値段も良心的なんですよ。CDと12インチではそれぞれマスタリング変えてもらってます。


質問7 : 収録曲の「Ghost」のMVはAmerican Footballなどの作品を手掛けるフォトグラファーで映像作家のChris Strongが手掛けているとお聞きしました。どういう経緯で依頼されたのでしょうか?また、出来上がった作品を見てどう感じられましたか?


平林 : 岸野の元々の繋がりで、以前クリス氏が日本で撮ったAmerican FootballのMVにバンドとしてちょこっと出演したのがきっかけです。その後も彼と岸野で諸々やりとりをしていたようで、その流れでまさかの結果になりました。仕上がりについては、最初に観たときはそれはもうまさに胸熱といいますか何と言いますか、言葉に出来ないものがありました。


岸野 : アメフトの当時のマネージャーが友人で日本でのMV撮影に協力して欲しいと連絡が来て、ロケ地やら出演者を集めたりしてクリスと仲良くなったのがきっかけですね。その時にMVを撮ってって話をしてたんで、再度その連絡をしたら快く引き受けてくれました。アートワークに彼の写真を使ってる日本のバンドはいるけど、MVは日本人初かな?

Ghosts = Memoriesってテーマで作ってくれました。 


質問8 : また、アートワークはAnnabelやwhat givesとしても活動するAndy Hendricksが担当されたと聞きました。なぜ彼に依頼されたのでしょうか?今作のアートワークを依頼するにあたって、拘った部分はありますか?


平林 : こちらも岸野繋がりで。バンドとしては以前Annabelのジャパンツアーで共演した際に繋がりが出来たというのもあるし、彼の今までの作品のUSのバンドならではなテイストやその良さも好きでしたので、やっていただけるならもうここは間違い無しでしょう、と。


岸野 : 日本人には出せないテイストがあるので毎回アートワークはアメリカの友人にお願いしてますが、Andyの他にも向こうの友人はデザイナーが多いのでいつも助かっています。


質問9 : ほとんどの曲は平林さんが作曲されているとのことですが、「Reach You」は岸野さんが高校生の頃のバンドの曲だとお聞きしました。それもあってか、この曲の歌詞からは若い頃の盲目な感じと、眩しいほどの真っ直ぐさを感じました。どんな風に歌詞を作られていますか?


平林 : 岸野がまだ汚れを知らない青年だった頃に作った曲です。作詞作曲した本人に歌詞をくれと言ったらもう手元に無いと言うので、当時の音源を聴きながら文字起こしプラス若干の修正を施しました。内容の方は、体中の毛穴という毛穴から汗が噴き出るぐらいどストレートな片想い系ラブソングです。


質問10 : 今回フィジカルには歌詞カードが封入されていませんが、そこにはどういう意図がありますか?


平林 : アートワーク的に文字要素は極力最低限に抑えたかったので。もしご要望があれば歌詞はwebの方にアップするので、そちらをご参照いただけるかなと。


質問11 : 平林さんは曲作りの際にかなりデモを作りこんでこられると聞きましたが、そこからどのようにメンバー間で展開していくのでしょうか。大きくイメージから変わっていった曲はありますか?


平林 : 個人的には、デモの段階でほぼほぼ完成させるぐらいのつもりで作ります。あくまで自分の場合ですが、所謂バンドマジックとか化学反応といった類いのものの存在をハナから前提にしてしまうとちょっとマズイな、きっと自分はズルズル依存してしまうなと。

もちろんメンバー間の信頼関係は不可欠だし、スタジオでジャムりながらとか偶発的にフレーズや曲が出来ていく過程も嫌いではないのですが、我々の場合メンバーそれぞれ住む場所や多忙なタイミングもバラバラですし、正直、皆で集まることがなかなか簡単ではない状況だったりもするので、その中でどうベストなやり方へ持って行けるかがまずあります。

デモ作りはつくづく骨の折れる作業ですが、曲を作る上で自分自身にとっても非常に大事な過程の一つだと思うようにしています。


質問12: ここ数年は、Spotifyの上陸やストーリーミングサービスの普及など、リスナーが音楽を聴く環境も大きく変化しています。そんな中、2016年にはHi-STANDARDによる約16年半ぶりのシングル『LOVE IS A BATTLEFIELD』のゲリラ発売があったり、2017にはLOSTAGEが新作『In Dreams』をライブ会場もしくはメンバー自身が経営するTHROAT RECORDSオンライン通販でのみ販売したり、サニーデイ・サービスが『Popcorn Ballads』を日本では前例のない配信オンリーで販売したりと、リスナーとして音楽の聴き方や価値を問われているような気がした印象的な出来事がたくさんありました。

今回のアルバム『Causes』は、まず一部店舗およびライブ会場で販売され、その後音楽配信が解禁され、今年9月にアナログでリリースするという流れで販売されています。今、自分達の音楽をどういう風に届けたいと思っておられますか?


平林 : 先に述べていただいたバンドの皆さんにしてもそうですし、我々のやり方もそうかもですが、音源をリリースするにあたってのやり方、既存のものとは違う選択肢が増えていくのは、バンド、リスナーの両者にとっても、個人的には良いことだと思います。

バンドそれぞれのこだわりや美学みたいなものもよりダイレクトに伝えやすく、また、リスナーの方々もそのへんに目を向けやすく、捉えやすくなってきているんじゃないかなと。皆が皆ではないけど、両者の足が同じ地に着いてるような実感は以前よりあります。

とは言え、音楽に何を求めるかは人それぞれだし、近年の状況が一概に良いとは言い切れませんが、自分たちの音楽をこう聴けああ聴けとは言いたくないですし、どんなきっかけにせよ聴いていただければやっぱり嬉しいです。


岸野 : 今は色んなリリース方法が増えて、みんな試してる時期ですよね。どれが正解って訳じゃないし。出す側からしたら、近年のアナログブームでヴァイナルやカセットテープも今までより売りやすくなってるだろうし、選択肢が増えて面白くなってるなって思います。その反面、しっかり考えてやらないと中途半端になっちゃうかなとも思います。Positive NoってバンドがアートワークとDLクーポンのみの作品を出してて、それがお気に入りなんですけど。そういうやり方もやってみたいなって思います。

僕らの場合は、自主でCDを出して流通会社通さずに普段お世話になってるレコ屋を中心に扱ってもらいました。ツアー後に聴いてもらう間口を広げる為にSpotifyとかApple Musicでも聴けるようにしたんですけど、USツアーもあるんでその辺も意識したとこもあります。順番で言うと、最後にヴァイナルをお世話になってる大阪のFLAKE RECORDSからリリースになるんですが、これが僕ら初の全国流通盤なのも捻くれた感じもして良いかなって思ってます笑。

聴く側の選択肢も増えた分、色んなシチュエーションでベストな選択をしてもらえれば良いと思います。休日にゆっくりしながらヴァイナルで聴いてもいいし、移動中に携帯電話で聴いてもらってもいいし。方法や媒体はどうであれ、みんな聴いてもらいたくてリリースしてるんで、聴いてもらえれば嬉しいですね。ライブ遊びに来て、生演奏のみで楽しむのもアリだし。出来たら買って欲しいけど笑。


質問13 : 『Causes』で一番おすすめの曲とその理由をそれぞれお答えください。


平林 : どうしても一曲には絞り切れません…申し訳ございません。


山﨑 :「Dove In A Haze」

曲も歌詞も好きです。演奏するのも好き。


岸野 : 「Dove In A Haze」と「Ghost」です。


渡辺 : アルバム内で唯一新録の曲ではないのですが「Behind The Door」が好きです。初リリース音源の1曲目ということもあって、この曲が"初めて聴いたThe Firewood Projectの曲"という人は多いと思うのですが、自分も例外ではなく初めて聴いた曲で思い入れがあります。実はライブの時もイントロで毎回鳥肌が立っています。


質問14 : 10月にはフロリダのGainesvilleで開催されるFESTにご出演が決まっていますが、どういう経緯で出演することになりましたか?また、その意気込みを教えてください。


岸野 : アメリカでライブしたくてAnnabelのメンバーに連絡したら、それならFEST出ようって主催に連絡してくれて決まりました。先日発表されましたがシカゴからFEST (ゲインズビル) まで数日ツアーします。個人的には9年降りのUSツアーなので出来る限り楽しみたいです。各地で今まで知り合った向こうの友人に再会出来るのも楽しみだし、新たな出会いから招聘への流れもあったらいいなーと思ってます。


平林 : タフな経験になることを覚悟しつつ、しっかり楽しんで来ようと思います。


質問15 : この作品をどんな風に聴いてほしいですか?


平林 : どんな形でも興味を持って聴いていただけるだけで嬉しいです。そしてライブに足を運んでいただけたらもう昇天です。


質問16 : 10月に開催されるRatboysの来日公演&The Firewood Projectの12inchアナログ『Causes』リリースツアーについて、何か伝えたいことやメッセージがあればお願いします!


平林 : 自分自身もRatboysは大好きなので、ご一緒出来るのがとても楽しみです。FLAKEから発売になる我々の12インチもアナログならではの最高な仕上がりになっておりますので、この機会に是非、併せてお楽しみいただけたらと思います。


----------- Answer from The Firewood Project


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【The Firewood Project】


Gt.Vo : Kazuya Hirabayashi

Ba : Hajime Kishino

Dr : Masayuki Yamazaki

Gt : Kazuya Watanabe


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夢を見ているだけでは、夢は叶わない。と聞いたことがある。

夢を叶えるためには覚悟が必要だ。掴もうとする意志と、一歩を踏み出す勇気と。

The Firewood Projectの活動を見ていると、そのことを思い出す。

Ratboysとの共演や、USツアーやFESTへの出演など、

彼らの行動には夢があって、夢を見させてくれるバンドだと思う。


今作『Causes』では、前作からの力強さや勢いはそのままに、震える空気や奥行きが加わったように感じた。全編を通して煌めくギターが美しく、ふっと吸い込まれそうになる。9月26日には、FLAKE SOUNDSより限定350枚、イエロー・カラーの重量版にてアナログをリリース予定。マスタングもCDとは変えてあるということだから、今からその出来が楽しみだ。


また、今年10月には、 The Firewood Projectとアメリカ・シカゴのRatboysとで、全国5か所を回るツアーを開催する彼ら。サポートアクトには、東京・新宿NINE SPICESにfallsとLucie,Too、大阪・LIVE HOUSE PangeaにPredawn、愛知・Party'zにmy young animal、東京・新代田FEVERにリーガルリリーを迎える。


この『Causes』の温度や空気が、ライブではどんな風に変化するのだろう?

ぜひ、それを体感してみてほしい。


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【Release】

The Firewood Project “Causes”


CD:全8曲 ¥2,500(税抜) Now on Sale


LP:イエロー・ヴァイナル仕様(限定350枚)

  全8曲 ¥3,240(税抜)

       FLAKE SOUNDSより9月26日発売

     http://www.flakerecords.com



【Tour】

The Lost Boys Present Ratboys Japan Tour 2018 / The Firewood Project Causes 12" Release Tour


■ 2018年10月11日(木)東京都 吉祥寺WARP

開場19:00/開演19:30

<出演者>Ratboys / The Firewood Project


■ 2018年10月12日(金)東京都 新宿NINE SPICES

開場19:00/開演19:30

<出演者>Ratboys / falls / Lucie,Too

※The Firewood Projectの出演はありません。


■ Flake Records 12th Anniversary Show

2018年10月13日(土)大阪府 心斎橋 LIVE HOUSE Pangea

開場18:00/開演18:30

<出演者>Ratboys / The Firewood Project / Predawn


■ 2018年10月14日(日)愛知県 名古屋 Party'z

開場17:30/開演18:00

<出演者>Ratboys / The Firewood Project / my young animal


■ 2018年10月15日(月)東京都 新代田FEVER

開場18:30/開演19:00

<出演者>Ratboys / The Firewood Project / リーガルリリー


http://thelostboys.malegoat.com/




THE FIREWOOD PROJECT / ANNABEL  FALL 2018 US TOUR


■ 10.22 - Sleeping Village - CHICAGO, IL   *NO ANNABEL

With Pet Symmetry, Lifted Bells, What Gives


■ 10.23 AKRON, OH


■ 10.24 PHILADELPHIA, PA


■ 10.25 RALEIGH, NC


■ 10.26 - 28 THE FEST - GAINSVILLE, FL


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